2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能的MRIと機能的近赤外線スペクトロスコピーを用いた嚥下時の脳活動に関する研究
Project/Area Number |
21300197
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
生駒 一憲 北海道大学, 病院, 教授 (70202918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 祐司 北海道大学, 病院, 医員 (20399851)
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Keywords | 機能的近赤外線スペクトロスコピー / NIRS-SPM / 嚥下関連領域 |
Research Abstract |
平成22年度は機能的近赤外線スペクトロスコピー(以下fNIRS)を用いた研究を行った。前年度のデータ(20-59歳の健常被験者)を島津製作所製fNIRS装置(FOIRE-3000)内の解析ソフトで解析し、1か所のファイバーフォルダで得られた領域のfNIRSデータについて一般線形モデルを用いた統計解析を行い、t値によるt-mapを作成した。そのmapとMRI画像から得た脳表データを重ね合わせ、嚥下関連動作時の賦活部位を調べた。脳表画像上は主に一次感覚野・運動野・縁上回・上頭頂小葉をカバーしており、大まかに大脳半球における左右差、実験デザインによる違い、水嚥下のやり方による違いについて検討したが、解析方法が煩雑であり、個人解析までが限界であったため結論が出なかった。このため、以下のような改善策を講じた。前述の1カ所のファイバフォルダだと一次感覚野・運動野の嚥下関連領域を十分にカバーしていないと考えられたため、フォルダを2か所とし、上述の部位を覆うように設定した。また解析ソフトはJong Chul Ye(KAIST)により開発されたfNIRS用の一般線形モデルを用いた統計マッピングソフトウェアNIRS-SPM(Statistic Parametric Mapping)を用いた。被験者を健常者(20-59歳)、高齢健常者(60-84歳)の2群とし、この方法を用いて一部の被験者について解析したところ、一次感覚野・運動野の嚥下関連部位にタスクに依存した有意な賦活が認められる傾向があり、また左右差や他部位の賦活を認める例もあった。一方、フォルダを覆う部位すべてに賦活がみられる被験例もあることから脳信号以外の頭部由来信号(頭皮、側頭筋)が重畳している可能性を排除できず、脳信号との識別については今後の課題である。現在のところ個人別解析を行っており、集団解析は今後行う予定である。
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Research Products
(4 results)