2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能的MRIと機能的近赤外線スペクトロスコピーを用いた嚥下時の脳活動に関する研究
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21300197
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
生駒 一憲 北海道大学, 北海道大学病院, 教授 (70202918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 祐司 北海道大学, 大学病院, 医員 (20399851)
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Keywords | fNIRS / 嚥下 / 神経筋電気刺激 |
Research Abstract |
平成22年度の研究においてはfNIRS用の一般線形モデルを用いた統計マッピングソフトウェアNIRS-SPM(Statistic Parametric Mapping)で集団解析し,健常者(60歳未満)の嚥下時の脳活動を捉えることができた。その結果を受け,平成23年度は以下の3つの研究を行った。(1)健常高齢者(60歳以上)19名に対し平成22年度と同様の研究。(2)嚥下リハビリテーションに適用されている神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation)を行った際の脳機能活動の検討。(3)咬合時のアーチファクトについての検討。これは通常の嚥下時は咬合ながら嚥下動作を行うため,単独で咬合を行った際の賦活を見るためである。結果は,(1)健常高齢者については健常者の結果に比べ,嚥下のタスクにおいて賦活が弱い傾向にあった.特に事象関連デザインで行った嚥下タスクにおいては賦活が見られなかった。賦活の低下は加齢による嚥下機能の低下に関連している可能性も考えられた.(2)神経筋電気刺激については健常者21名に対して行い,16名について何らかの賦活が得られ,その大脳に対する作用が示唆された。(3)咬合時の賦活は嚥下時のタスクよりも広い範囲が賦活された。嚥下時は咬合による賦活と咀嚼筋群の筋活動によるアーティファクトの両者をみている可能性もあり,嚥下のみの賦活を分離することが今後の課題である。
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