2009 Fiscal Year Annual Research Report
関節周囲組織の網羅解析から拘縮の発生メカニズムとリハビリテーションの効果を探る
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21300200
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
沖田 実 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50244091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 治郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20380834)
折口 智樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90295105)
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Keywords | 拘縮 / 不動 / 筋線維 / titin / 電気泳動法 / 筋内膜 / type I・III collagen / 蛍光免疫染色 |
Research Abstract |
今年度は、骨格筋の不動によって筋線維自体の伸張性を制御しているtitinが、また、筋膜の中でも最も伸張性を有する筋内膜のtypeI・III collagenの動態が変化するのかを検証した。実験動物は、Wistar系雄性ラット60匹で、群分けとしては1、2、4週間両側足関節を最大底屈位で不動化する不動群とこれらと週齢を合致させた対照群を設けた。各不動期間終了後は一部のヒラメ筋から筋抽出液を作成し、電気泳動法によって得られたバンド像の画像解析からmyosinに対するtitinの比を求めた。結果、不動群は対照群より有意に低値を示したが、不動期間による有意差は認められなかった。そして、以前の研究で不動によってラットヒラメ筋の筋節構造が乱れることを報告したが、この変化にはtitinの減少が関与していると推測された。また、これまでは不動によって筋線維自体の伸張性が低下すると仮説されてきたが、それを制御するtitinが減少するのであればこの仮説は疑問視され、今後はこの点についての検討を予定している。一方、一部のヒラメ筋から凍結横断切片を作成し、抗type I・III collagen抗体ならびに蛍光標識を含んだ二次抗体を用いた蛍光免疫染色を実施した。そして、画像解析によって筋内膜の単位面積あたりの累積輝度を算出し、type I・III collagenを定量した。結果、type I・III collagenいずれも不動群は対照群より有意に高値を示した。また、type I collagenは不動期間の延長に伴う有意な増加を認めたが、type III collagenは不動期間による有意差は認められなかった。つまり、拘縮は不動期間の延長に伴い進行するが、上記の結果からこのメカニズムには筋内膜において組織の硬度を規定するtype I collagenが増加することが関与している可能性が示唆された。
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[Presentation] 痛みと拘縮2009
Author(s)
沖田実
Organizer
第2回日本運動器疼痛研究会
Place of Presentation
品川インターシティーホール(東京都)
Year and Date
2009-11-07
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