Research Abstract |
本研究で開発しているシステムは,ヒトと同じ二関節筋を用いた駆動機構であるため,機能する筋にはアシストしない設定が可能であり,各々の患者へのアシストを自動学習する制御系の最適化モデルの機能を組み込み,できる限り患者自らの筋神経系を使った訓練ができる水陸両用の歩行訓練システムの開発を目指している. 平成21年度には,上記の問題点を踏まえたフレーム材質,形状自体からの大幅なハード面の設計変更,仕様変更について検討し,さらに,これまでの陸上用システムでは,上から吊り下げているだけの免荷装置であったので,初年度に免荷量調節が可能で身体重心の上下動に合わせた免荷機構の新たな設計開発に着手した.また,日立メディコ社製人工筋を使用していたが,開発中止となったため,人工筋のカスタマイズができなくなり,独自の人工筋開発を検討し始めた.平成22年度には,昨年度に着手した装具部および免荷装置の設計開発および改良を行った.さらに,独自の人工筋開発を進めた.これまでの制御系は,オープンループ制御であったため,詳細な位置制御,もしくは力制御ができなかった.すなわち,歩行速度の変更や各被検者に合わせた歩容変更が全くできない制御系であった.このソフト面も大幅な変更が必要となった.平成23年度には,位置や力のセンサの選定・配置,圧力センサの導入等により,単関節筋モデルおよび二関節筋モデルにおいて,圧力制御をベースにフィードバック制御を実現したが,制御系としてはかなり不完全な内容であった.また,装具フレームの強度不足による不具合が生じ,今後大幅な装具フレームの改良が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画では,最終年度には臨床試験を見据えた計画になっていたが,現状としては臨床試験まで実施することは困難な進捗状況にある.したがって,開発したシステムの臨床試験実施までには至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成24年度には,二関節筋モデルの導入による装具フレームの強度不足を解消する再設計・製作を進めるとともに,上記の制御システムの改良,さらに独自の空気圧人工筋の開発,ユーザインターフェイス部の開発等を中心に研究を進め,最終的には臨床試験実施のための礎を築くことが目標である.
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