2009 Fiscal Year Annual Research Report
カーボン長下肢装具がポリオ罹患者の歩行効率を改善する要因の研究
Project/Area Number |
21300204
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
蜂須賀 研二 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (00129602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20269070)
牧野 健一郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (30341514)
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Keywords | ポリオ / ポリオ後症候群 / カーボン製装具 / 歩行障害 / 歩行解析 / 酸素摂取量 / 歩行効率 |
Research Abstract |
日本義肢協会には、日本全国で義肢や装具を製作している会社の中で一定の実績を有するものが加盟しており、一つの会社は数名~数百名の社員を雇用している。従って、日本義肢協会会員に対してカーボン製装具の調査を行えば、日本全体のカーボン製装具の製作状況を把握することができる。そこで日本義肢協会全会員310社に対して、最近の5年間にカーボン製装具を取り扱ったか否か、どんな種類のカーボン製装具を作製したかを質問し、232社(75%)より回答が得られた。232社中77社(33.2%)は既製品のカーボン製装具の取り扱いまたは自社でカーボン製装具を作製しており、その内52社(22%)は自社で作製していた。自社作製のカーボン製装具は、短下肢装具が517本と最も多く、次いで長下肢装具154本、上肢装具19本と続き、その他は139本であった。カーボン製装具の利点として、軽い、外観が良く、体にフィットする事であったが、欠点として高価であり、炭素繊維が皮膚に刺さりかゆみを生じる事であった。カーボン製装具の特性を考慮すると、作製本数の最も多かった短下肢装具よりも、長下肢装具に良い適応があると推定された。 平成22年度以降の本実験に備え既存の歩行解析システム(アニマ社)に2台のカメラを増設し、合計6台として設定・調整等を行った。予備的測定として、52歳健常女性、身長160cm、体重53.9kgに両側支柱付長下肢装具とカーボン製長下肢装具を作製し、3回適切な測定値が得られるように歩行させ計測した。Fzは2峰性、Fxは漸増性、Fyは2峰性の曲線が得られ、立脚時間因子、ストライド時間因子、距離因子等に関しても、再現性の良い結果が得られた。ただし、健常者を対象とすると両装具間で歩行解析上に明らかな相違は認めなかった。今後、ポリオ患者を対象として酸素摂取量測定を含めて計測を行う。
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Research Products
(1 results)