Research Abstract |
本研究では,動作想像や認知に関連する事象関連電位を抽出し,入力として利用するとともに,被験者がシステム誤動作を認知したことを検知して,補正機構を稼働させるなど,複数の事象関連電位情報を組み合わせて機能するブレイン・コンピュータ・インターフェースを構築することを目的として,認識や運動に関連した脳波の識別に関する研究を進め,以下の研究成果を得た (1)運動に関連した脳波変動解析を用いたBCIシステムの構築 混合パルスモデルに関して検討を進め,右手・左手動作想像の識別において,モデル化誤差がその識別に有効に作用していること,また,各パルス系列の連続する発火数の左右差がなくなるほど,パタン識別結果が改善されることなどを確認した.また,臨床現場で利用可能な可搬型BCIシステムを構築するため安価な生体アンプの試作を試み,その利用可能性を確認した (2)光刺激を用いた文字入力システム VEPを用いた文字入力システムにおける光刺激提示時刻を推定するため,脳波励起システムのモデルにもとづくMAPアルゴリズムを用いた入力推定システムを構築し,シミュレーション結果から,90%程度の精度で誘発電位のような過渡応答を検出することが可能であることを確認した.しかし,実脳波への適応において問題点も確認でき,今後,改善を進めていく予定である (3)ICAとモルフォロジカル解析手法による脳波の特徴抽出法 ICAによる脳波のブラインド信号分離と,特定時間帯の振幅差を評価関数としたモルフォロジカル多重解像度解析手法における最適構造要素決定アルゴリズムを組み込んだシステムを構築し,光刺激を利用した文字認識を試みた結果,標的以外から受ける漏れ光刺激の影響を低減でき,4.5秒のデータによって,4文字の識別を最大78%程度の精度で識別できるなど,そのBCIシステムへの適応可能性を確認した
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