2011 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉痛の発生機序と部位特異性:筋肉痛を抑えながら筋力増強効果を高めるトレーニング
Project/Area Number |
21300217
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川上 泰雄 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60234027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 直和 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 次席研究員 (20420408)
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Keywords | 骨格筋 / 遅発性筋肉痛 / 筋損傷 / 生体計測 / 収縮様式 / 筋腱動態 / トレーニング |
Research Abstract |
本年度は、筋疲労の程度と遅発性筋肉痛(DOMS)および筋損傷マーカーの量の変化、筋の機能変化の関係について検討した。被験者は、自体重の半分の負荷で0.5Hz(低速)あるいは1.5Hz(高速)の速度でカーフレイズ運動(CR)を400回(40回×10セット)行った。速度間は最低4ヶ月空けて実施した。測定項目は、CR前後、1-4・7日後の等尺性足間接底屈最大筋力(MVC)、電気刺激による誘発トルク、DOMS、筋損傷マーカーおよび運動中の最初と最終セットの腓腹筋内側頭(MG)とヒラメ筋(SOL)の筋活動および筋線維長(足間接角度5度ずつ算出)、筋線維長変化であった。MVC値はいずれの動作速度で育意に低下し、その程度は高速試行より低速試行で大きかった。誘発トルクの変化は運動直後のみ動作速度間で異なった。CR後1-7日のMVCと誘発トルクの値はCR前と有意差はなかった。DOMSは、低速試行のMGのみ有意に高まり、CR後2-3日でピークを迎えた。低速試行のDOMSの程度は、高速試行のそれより有意に高かった。低速試行の筋損傷マーカーの量が24時間後から上昇し96時間後にピークを迎えたのに対し、高速試行では変化は認められなかった。CR中のMGおよびSOLの筋活動は低速試行では有意に増加するが,高速試行ではいずれの筋も増加しなかった。MGおよびSOLの筋線維長は,低速試行では両筋ともに有意に長くなったが、高速試行ではMGのみ長くなり、SOLに変化は認められなかった。筋線維長変化は、低速試行ではMG・SOLともに減少したものの、高速試行では両筋とも変わらなかった。これらのことから、(1)筋疲労の程度と遅発性筋肉痛・筋損傷マーカーの量が関係するが、筋疲労の程度によらず筋の機能は速やかに回復すること、(2)還動中の筋線維動態は筋疲労の程度と関係して変化する可能性があること、が示された。
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Research Products
(4 results)