2010 Fiscal Year Annual Research Report
体育科教育における教授-学習内容の体系化と系統化への活動理論的アプローチ
Project/Area Number |
21300223
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
森 敏生 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (30200372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
丸山 真司 愛知県立大学, 文学部, 教授 (10157414)
中頼古 哲 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00198110)
則元 志郎 熊本大学, 教育学部, 教授 (90136698)
久保 健 日本体育大学, 短期大学部, 教授 (60125698)
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Keywords | 学習指導要領 / 体系化・系統化 / ボールゲーム / 戦術学習 / 基礎技術 / 基礎戦術 |
Research Abstract |
今年度の研究課題は、 (1)学習指導要領が示す指導内容の体系・系統について指導解説資料や授業実践モデルの分析を通じて具体的に検討する。 (2)教授-学習内容・教材の体系化・系統化の基本的な構成を明らかにする、である。 以下、ボールゲームの領域に関して成果を報告する。 <(1)の研究課題に関して>(1)技能に関する指導内容の分類、体系、系統化は、「ボール操作」と「ボールをもたない動き」から構成されている。(2)「態度」の内容はルール、勝敗、安全、「思考・判断」の内容はルールの工夫や作戦立案で構成されている。(3)授業実践モデルは、技能学習を中心とする「ドリルゲーム」「タスクゲーム」「メインゲーム」の組立てと、大単元方式の「スポーツ教育モデル」がある。 指導要領は戦術学習のコンセプトをもとに体系化・系統化している。しかしプレイを区分・整理する観点にとどまっている。 授業実践モデルでは技術・戦術の獲得とゲームの楽しさの関連、スポーツライフの模擬的構成の工夫が見られる。しかしゲームそのものをつくり変える批判的・主体的な学習が欠落している。 <(2)の研究課題に関して>(1)ゲームの指導内容の体系化・系統化の原理は、ゲームの競争(協同)特性に規定された戦術課題の解決のために、個々の操作と行為を攻防関係における状況判断を含むコンビネーション・フォーメーションに統合していくことにある。(2)指導内容は、スコアリングの局面の戦術構成からゲームの全体局面の戦略構成へ、2人を単位とする基礎技術(コンビネーション)からより複合的な基礎戦術(フォーメーション)の構成へと系統化する。(3)コアとなる指導内容は、技術・戦術的内容(「技術・戦術・戦略」「ゲーム分析」)と、総合的な内容(「ルールづくり」)から構成され両者は相互関連をもつ。(4)ゲームの競争(協同)特性を学習者が批判的・主体的・協同的に統御する方法を学習することが重要である。
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Research Products
(4 results)