2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動が動脈伸展性を増大させる機序に新しい血管炎症性タンパクPTX3は関与するか?
Project/Area Number |
21300234
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前田 清司 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30282346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鰺坂 隆一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70151058)
田中 喜代次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50163514)
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Keywords | 動脈伸展性 / ペントラキシン3 / 生活習慣 / 肥満 / 運動トレーニング |
Research Abstract |
運動不足や過栄養は、大動脈などの中心動脈の伸展性を低下させる。中心動脈伸展性の低下は、心血管疾患や脳血管疾患の独立した危険因子となる。一方、習慣的な有酸素性運動は中心動脈伸展性を増大させるが、そのメカニズムは未だに不明な点が多く、十分に明らかになっていない。本研究では、運動による中心動脈伸展性増大のメカニズムに、新しい血管炎症性タンパクであるペントラキシン3(PTX3)が関与するかを解明することを目的とする。PTX3は、血管内皮細胞から産生され、血管の炎症状態を反映する可能性がある新しい物質として注目されている。本年度は、ヒトの血中PTX3濃度の測定法を確立することを目指すとともに、過栄養などが引き起こす肥満が血中PTX3濃度に及ぼす影響を検討した。さらに、運動トレーニングを日常的に行っている持久鍛錬者の血中PTX3濃度を予備的に検討した。まず、ヒトにおける血中PTX3濃度の測定をELISA法にて評価することに成功した。この測定法を用いて、肥満者と非肥満者の血中PTX3濃度を横断的に評価した結果、中心動脈伸展性が低下している肥満者の血中PTX3濃度は、非肥満者に比べて有意に高値であることが明らかとなった。さらに、予備的な検討ではあるが、運動トレーニングを行っている持久鍛錬者の安静時の血中PTX3濃度は、非鍛錬者に比べて有意に高値である知見も得た。これらのことから、肥満や運動トレーニングは血中PTX3濃度に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)