2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動が動脈伸展性を増大させる機序に新しい血管炎症性タンパクPTX3は関与するか?
Project/Area Number |
21300234
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前田 清司 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30282346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鰺坂 隆一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70151058)
田中 喜代次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50163514)
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Keywords | 動脈伸展性 / ペントラキシン3 / 心血管保護作用 / 持久鍛錬者 / 肥満 / 運動トレーニング |
Research Abstract |
大動脈などの中心動脈の伸展性は生活習慣の影響を強く受ける。すなわち、運動不足や過栄養といった生活習慣は、中心動脈伸展性を低下させる。中心動脈伸展性の低下は、心血管疾患の独立した危険因子となる。一方、習慣的な有酸素性運動は中心動脈伸展性を増大させるが、そのメカニズムは未だに不明な点が多く、十分に明らかになっていない。本研究では、運動による中心動脈伸展性増大のメカニズムに、新しい血管炎症性タンパクであるペントラキシン3(PTX3)が関与するか否かを解明することを目的とする。PTX3は、血管内皮細胞から産生され、血管の炎症状態を反映するとともに心血管保護作用を有する可能性がある新しい物質として注目されている。本年度は、昨年度に引き続き、高強度の有酸素性運動トレーニングを実施している持久鍛錬者を対象として、横断的に血中PTX3濃度と動脈伸展性を検討した。持久鍛錬者の血中PTX3濃度は、非鍛錬者に比べて有意に高値であった。また、動脈伸展性も持久鍛錬者で有意に高い値を示した。さらに、中年肥満男性を対象に、12週間の有酸素性運動トレーニングを実施し、血中PTX3濃度と動脈伸展性の変化を検討した。肥満者における運動トレーニングにより、血中PTX3濃度は有意に増加し、動脈伸展性も有意に増大した。これらの結果から、習慣的な有酸素性運動による中心動脈伸展性増大のメカニズムに血中PTX3濃度の増加が関与している可能性が示唆された。
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