2011 Fiscal Year Annual Research Report
ACTN3遺伝子型からみた骨格筋の適応性に関する研究
Project/Area Number |
21300238
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内藤 久士 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70188861)
|
Keywords | 遺伝子 / 競技力 / 骨格筋 / ACTN3 / スピード / パワー / 筋力 / 至適負荷 |
Research Abstract |
競技パフォーマンスに関連付けられる候補遺伝子の一つとしてとして、骨格筋内のαアクチニン3タンパク質の発現調節に関わるACTN3遺伝子が注目されている。本年度は、ACTN3遺伝子型と最大無酸素パワー発環時の力・速度関係との関連性について横断的に検討することを目的とした。被験者は、陸上競技の短距離・障害を専門とする大学陸上競技部員(21±1歳)16名であった。ACTR3遺伝子型は、口腔粘膜または血液サンプルを用いてポリメラーゼ連鎖反応TaqManプローブ法によってRR、RX、XX型の3タイプに分類した。また、自転車エルゴメーターを用いた無酸素パワー発揮テストを行い、最大無酸素パワーを算出した。その結果、至適負荷(kp)は、Rアレルを有するもの(RP+RX)は、そうではないもの(XX)に比べて有意に低い値を示した(RR+RX:7.89±0.59,XX:9.24±1.62,p<0.05)。また、至適回転数(rpm)においても同様に、RR+RX型が有意に高い値を示した(RR+RX:140±10.14,XX:123±19.69,p<0.05)。しかし、最大無酸素パワーの絶対値および体重あたりの値は、いずれもXX型(1194±106.45W,17.42±1.61W/kg)がRR+RX型(1053±58.53W,15.36±1.04W/kg)よりも有意に高い値を示した(p<0.05)。これらの結果から、ACTN3遺伝子型のRR,RX型は低負荷・高回転数のような高い速度に依存したパワー発揮を行い、対照的に、XX型は高負荷・低回転数のような筋力に依存したパワー発揮を行っていることが予測されるが、今後さらに被験者の数を増やして検討を加えていく必要性があると思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、パワー型種目から持久型種目に至るまでの大学レベル以上のスポーツ選手を競技種目ごとに被験者として募集し、ACTN3遺伝子型を決定する予定であった。結果的には、パワー型種目の被験者のデータを中心として結果を整理した。また、ACTN3遺伝子型と遅発性筋痛との関係性については現在データを整理中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度として、これまでの研究成果を特に、競技特性等の観点から整理し、当初の研究計画に沿ってまとめる予定である。また、これまでややデータが不足している有酸素能力との関連性について、重点的にデータを加えていく予定である。
|
Research Products
(16 results)