Research Abstract |
本研究のテーマとしているヘルスコミュニケーションとは,行動科学,社会科学,マスコミュニケーション,マーケティングなど様々な領域における知見を適用して行う健康行動変容アプローチの一つである.HCでは,対象者を一律に捉えないで,ターゲットとする対象者の特徴や健康行動における「行いやすさ」を見極めた上で,彼らに特化した介入を行うこと,また対象者をある特徴によって複数の下位集団に分け,それぞれの下位集団に応じたアプローチを行うことでそれぞれの健康行動実践の度合いを上げようとしている. 平成23年度は,埼玉県比企郡ときがわ町を対象に,1)健康診査の魅力づくり,および2)リーフレット配布による健康意識の向上,の2研究を実施した.両研究は,一昨年から実施してきた住民のフォーマティブ・リサーチを基にしている.前者では,国保被保険者を対象に健康診査の魅力を高め,受診者数の向上を目指した介入であり,受診勧奨のリーフレット送付および健康診査時において付加的な情報提供として,実践およびレディネスに応じて運動行動(前熟考,熟考ステージ者)および食行動(準備,実行,維持ステージ者)にマッチした4タイプのニューズレターを提供し,その後の知識,態度,および行動の調査を実施した.その結果,ステージ・マッチド群は,ステージ・マッチドされていない群と比べて,運動行動および食行動とも有意に高い「態度」得点を示した. 一方,リーフレット配布による健康意識の向上を目的とした研究においても,フォーマティブリサーチの結果に基づいて,男女別こ運動行動および食行動に関するスモールチェンジ行動の実践を推奨する介入を官民ノ部署において,手渡しとコメントによる配布を行った.リーフレットに添付されたハガキ質問票の分析は現在進行中である.
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