2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児メタボリックシンドロームへの遺伝、運動・栄養の影響-親子間での検討
Project/Area Number |
21300250
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
坂本 静男 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00266032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 満 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (20192289)
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (70164069)
緑川 泰史 桜美林大学, 健康福祉学群, 専任講師 (50434345)
|
Keywords | 肥満症 / 親子 / 運動 / 栄養 / 遺伝 |
Research Abstract |
今回の研究目的は、(1)小児のメタボリックシンドロームの原因として遺伝的要素が強く働いているのか、運動・栄養・休養といった環境的要素が強く働いているのかを、親と子どもの間における特徴を検討して見極める、(2)得られたデータから、小児のメタボリックシンドローム予防のための運動・栄養処方プログラムを開発する、ことであった。今回の対象は母親31名とその子ども31名(男子19名、女子12名)であり、以下の測定・検査を実施した:体組成測定、血液検査(血清脂質、血糖、尿酸、インスリン、脂質代謝関連酵素)、呼気ガス分析を含めた運動負荷試験、MR検査、DEXA検査、血圧脈派伝導速度検査など。母親と男子との間の体測定結果から、母親に肥満があれば(13名)、その男子のうち10名に肥満を認め、明らかに肥満を認めないのは2名のみであった。母親と女子との間の体測定結果から、母親に肥満があれば(5名)、その女子のうち2名に肥満を認め、明らかに肥満を認めないのは1名のみであった。逆に母親と男子との間の測定結果から、母親に明らかな肥満を認めなくても(3名)、男子2名で肥満を認めた。母親と女子との間の体測定結果から、母親に肥満を認めなければ(7名)、女子4名で明らかな肥満を認めなかったが、2名では肥満を認めた。これらの結果から、母親に肥満があれば子ども達にも高率に肥満が認められ、母親に肥満がなくても子ども達に肥満が認められる確率はかなり低くなるが相当の確率で認められることが、判明した。血液検査結果や血圧脈派伝導速度検査結果との相関関係などを検討し、メタボリックシンドローム保有者の割合や動脈硬化程度の推測なども含め、総括的な検討の遂行を考えている。このような検討を行うことは、小児メタボリックシンドロームの原因解明に有用であるばかりでなく、小児メタボリックシンドロームの予防対策を策定する上でも有意義なことと考えられる。
|
Research Products
(5 results)