2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300251
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮田 浩文 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90190793)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 直己 山口大学, 農学部, 教授 (20210982)
|
Keywords | 神経筋接合部 / MuSK mRNA / 加齢変化 / 横隔膜 |
Research Abstract |
神経筋接合部周辺のTrophic factorは、アセチルコリンレセプターの発現に対する重要な刺激となることが知られているが、発現調節のキーとなるシナプス核の情報はほとんどない。そこで本研究は、老齢期のアセチルコリンレセプターの発現(運動終板の形状)と神経筋接合部直下にあるシナプス核および周辺の筋核、さらにはサテライトセルの量的関係を明らかにすることを目的とする。22年度は以下の結果が得られた。 1)様々な月齢(3週齢、11週齢、25週齢、22ヵ月齢)のラットから横隔膜と胸鎖乳突筋の単一筋線維を取り出し、アセチルコリンレセプターのアンタゴニストを用いて運動終板をラベルした。さらに、PAX-7および核に対する、免疫組織化学的染色を行い、サテライトセルおよび筋核をラベルした。その結果、22ヵ月齢においてはエンドプレートの空洞化が認められたが、エンドプレート体積は増大した。また、エンドプレート核は加齢に伴い増加し、核1個当たりのエンドプレート体積も増大した。エンドプレート核内にサテライトセルを見いだすことはできなかった。 2)エンドプレートの代表的なTrophic factorであるMuSKのmRNAの発現レベルをリアルタイムRT-PCRを用いて調べた。その結果、両筋とも神経筋接合部の集中する筋中央部のMuSK mRNA発現は末端部よりも高く、横隔膜は胸鎖乳突筋よりも発現量が高いことなどが明らかとなった。これらの差異は、活動量の違いに起因していることが推察された。また、MuSK mRNA発現量の低下傾向が両筋において認められ、エンドプレートの空洞化との関連が示唆された。
|