2010 Fiscal Year Annual Research Report
アンチ・エイジングを目的とした運動による筋局所の性ホルモン産生
Project/Area Number |
21300254
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
目崎 登 帝京平成大学, 地域医療学部, 教授 (30010408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 崇之 東京大学, 医学系研究科, 講師 (00323460)
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90375460)
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Keywords | 運動 / 加齢 / 性ホルモン / 骨格筋 / 自己分泌 |
Research Abstract |
加齢に伴い、生活習慣病疾患リスクは増大する。その要因の1つに運動不足や食生活の乱れによる肥満が関与していると考えられる。肥満は内分泌機能の低下をもたらし、性ホルモン産生も低下させる。我々は、骨格筋内が性ステロイドホルモンを代謝合成できることを明らかにしてきたが、その性ステロイドホルモンが骨格筋内でどのような役割を担っているのかは不明である。最近我々は、骨格筋内の性ステロイドホルモンは筋内の糖代謝を亢進させることを証明した。そこで本年度は、肥満ラットを用いて、運動トレーニングおよび性ホルモンの前駆体であるDHEA摂取による骨格筋局所の性ホルモン産生と糖代謝の分子調節経路の変化について明らかにすることを目的とした。14週間高ショ糖食を与えた肥満モデルラットにDHEA摂取あるいは、1日60分、週5回、25m/分の速度でトレッドミル運動トレーニングを6週間実施し、摘出した腓腹筋内の性ホルモン濃度および性ホルモン合成酵素、糖代謝調節シグナル経路のタンパク発現を検討した。DHEA摂取あるいは運動トレーニングにより有意に空腹時血中インスリン濃度、血糖値が改善した。骨格筋内DHEAとDHT濃度、さらにDHEAからDHTの代謝酵素である5α-reductaseのタンパク発現は運動トレーニング、DHEA摂取により有意に増加した。また、運動トレーニング、DHEA摂取により、糖代謝調節シグナル経路であるAktとPKCζ/λのリン酸化が亢進し、さらにGLUT4発現も増加した。また、骨格筋のDHEAとDHTの濃度に、空腹時血糖、インスリン濃度、インスリンシグナル経路と有意な相関が見られたことから、骨格筋内の性ステロイドホルモンの増大は肥満によりインスリン抵抗性の改善に関与する可能性が示された。
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Research Products
(3 results)