2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動がナチュラルキラー細胞サブセットのレセプターの発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
21300257
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鈴井 正敏 Meiji University, 経営学部, 教授 (10187693)
|
Keywords | ナチュラルキラー細胞 / トレーニング / CD56^<dim> / CD56^<bright> / NKG2D / DNAM-1 / NKp46 / NKG2A |
Research Abstract |
慢性運動(トレーニング)がNK細胞サブセット上のレセプター発現におよぼす影響について実験を行った。被験者は大学レスリング部に所属する男性8名(年齢19.3±0.4歳,身長173.3±1.6cm,体重77.6±6.9kg)。夏休み中に行った約1ヶ月の合宿を利用してその前,直後,5日後に計3回の採血を行った。全ての採血は医師により,前日午後9時以降の絶食後,午前7時に行った。その結果,CD56^<dim>NK細胞ではトレーニング直後に活性化レセプターであるNKG2D(p<0.001)の発現は増加,NKp46(p<0.050)の発現は低下という相反した結果が得られた。DNAM-1も低下する傾向を示したが,有意ではなかった(p=0.076)。抑制性レセプターであるNKG2Aの発現には変化がみられなかった。CD56^<bright>NK細胞では活性化レセプターのNKp46(p<0.001)と抑制性レセプターであるNKG2A(p=0.009)の発現がともにトレーニング直後に低下した。NK細胞傷害活性は総活性,細胞当たりの活性の指標であるlytic unitともに変化しなかった。これまでトレーニング強度が強い場合にはNK細胞傷害活性は総活性,細胞当たりの活性ともに低下することが報告されている。それから考えると今回のトレーニング強度は低く,NK細胞におよぼすインパクトは大きくなかったことが推測される。しかしながら,活性化・抑制性レセプターの発現強度には変化があり,慢性運動がレセプター発現に影響することが示された。このような結果はこれまで報告されていない新しい知見であり,NK細胞の動態を理解する上で意義のある発見といえる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article]2009
Author(s)
鈴井正敏(黒澤尚編)
-
Journal Title
運動器慢性疾患に対する運動療法,第I章 基礎編「6.運動と免疫」(金原書店)
Pages: 297(31-39担当)
-
-
-