2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300259
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
内藤 通孝 Sugiyama Jogakuen University, 生活科学部, 教授 (10198012)
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Keywords | トリグリセライド / メタボリックシンドローム / アポ蛋白B48 / 有酸素運動 / レムナント / 外因性脂質 |
Research Abstract |
糖尿病の予防・治療を目的とする運動は食後に行うのが効果的であるという常識が定着しているが、高トリグリセライド血症、とくに食後高脂血症(食後高トリグリセライド血症)の運動療法に関する研究は乏しい。本研究では、スポーツとしての運動ではなく、健康の維持・増進のために継続可能な運動(時間・強度ともに)にしぼって、メタボリックシンドロームの中心的構成要因としての高トリグリセライド血症、とくに食後高トリグリセライド血症と食後高血糖の予防・治療を目的とする運動療法において、いつ、どの程度の強度で、どのような運動(有酸素運動か無酸素運動か)を行うのが好ましいかを明らかにすることを目的とする。初年度は、健常若年女性において、異なるタイミングの運動が食後脂質代謝に及ぼす影響について検討した。試験食には脂肪クリームを用い、運動はトレッドミルを用いた30分間の中等強度(最大酸素摂取量の50%程度)の歩行運動とした。まず、食後運動の効果を検討した。外因性脂質代謝の指標であるアポ蛋白B48(ApoB48)は、対照群に比べて運動群で脂肪負荷2~6時間後に有意に低値を示した。ApoB48の上昇程度を表す曲線下面積においても、対照群に比べて運動群は有意に低値を示した。これらのことから、食後の運動は外因性脂質代謝の改善に有用であることを示した。次に、食前の運動について検討した。運動群は脂肪クリーム摂取前に同じ運動を行った。その結果、トリグリセライド、ApoB48、レムナント様リポ蛋白(RLP)-トリグリセライドの経時変化では、両群間に有意差は見られなかった。以上、食後および食前の運動について検討し、食後脂質代謝の改善を目指した運動では、食前の運動に比べて、食後の運動の方が、より効果的であることを示した。
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Research Products
(9 results)