2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規ミトコンドリアタンパク質Apop-1の機能解明と健康科学への応用に関する研究
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21300260
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福尾 惠介 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40156758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓬田 健太郎 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (90283803)
吉田 徹 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (00378952)
安田 修 熊本大学, 医学部・附属病院・循環器臨床研究先端医療寄付講座, 准教授 (00372615)
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Keywords | 遺伝子 / 栄養学 / 老化 / 糖尿病 |
Research Abstract |
1. コンディショナルノックアウトマウスおよび培養細胞での検討 1) 膵臓のβ細胞においてApop-1を欠損したマウスを用いたインスリン分泌機能とApop-1の関係の検討:Apop-1-KOマウスの発育が予想外に悪く、インスリン分泌能とApop-1の関係に関する検討が十分出来なかった。このため、現在継続中である。MIN6細胞(β細胞)を用いた検討においては、ミトコンドリアからの活性酸素種(ROS)の産生量をMitoSoxの蛍光指標を用いて測定し、高グルコース刺激によるミトコンドリアからのRosの増加がApop-1siRNAで抑制されたことから、Apop-1が高グルコースによるミトコンドリアからのROS産生に関与することが示唆された。 2) 心血管系細胞を用いたApop-1と血管傷害に関する検討:培養内皮細胞(HUVEC)を用いて、高グルコースによるミトコンドリアからのROS産生がエイコサペンタエン酸(EPA)を前処理すると抑制されたが、このEPAの作用は、抗老化因子SIRT1のsiRNAを処置したHUVECでは消失した。このことから、EPAの作用にSIRT1が関与することが示唆された。現在、SIRT1とApop-1の関係を解析中である。 2. 若い女性におけるヒトApop-1遺伝子多型と生活習慣病リスク因子に関する解析 本学女子学生とその母親を対象として、Apop-1遺伝子多型(rs12889403)と身体計測値や血液検査との関係を解析した。Tアリルを有する群と有さない群の2群で比較したところ、Tアルルを有する群の血中のLPL活性が有意に低値を示し、LPLと血液の相関ではアディポネクチンとHDLコレステロール値の間に正の相関が見られた。母親では、さらにHOMA-IR値との間に負の相関が出現した。以上、Apop-1遺伝子多型は女性において血中のLPL活性と関連すること示唆された。
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