2011 Fiscal Year Annual Research Report
専門教育のための視覚情報の構造化に基づく聴覚障害学生支援システムの検討
Project/Area Number |
21300286
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90279555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 一郎 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00237182)
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Keywords | 聴覚障害 / 情報保障 / 字幕 / コミュニケーション支援 / 授業保障 |
Research Abstract |
聴覚障害者は,視覚情報のみにより全ての情報を得ているため,講義中は資料や字幕などの講義情報を目で追うだけで精一杯であり,講義の理解や重要部分の把握等が非常に困難である.本研究課題は,このような問題を解決するために,聴覚障害学生に提示される字幕を視覚的に構造化する手法を検討し,高等教育に適した聴覚障害学生への新しい情報保障システムの在り方を提案しようとするものである. 今年度は,聴覚障害学生に対して行われる高等教育の講義内容において,キーワードを抽出し、字幕中のキーワードに色付けする方式の有効性を検証するとともに、携帯モニタに字幕を個別表示する方式の検討を行う. まず,字幕の表示方法の検討として,キーワード色付けの有効性を検証するための聴覚障害学生を対象とした主観評価実験を行った.白背景に黒文字の黒字幕とキーワードのみ赤色とした色字幕を比較した結果,「字幕は分かりやすかったか」「読み始める位置は探しやすいか」等の質問において,キーワードに色付けをする色字幕の評価の平均値が有意に高かった. また,これまでの字幕を視覚的に構造化する手法について検討を行った結果をふまえて,昨年度に自動的にタグ付する字幕構造化システムを試作した.この試作結果を受けて、実際の講義でのシステムの動作検証を行った.この結果,複数のキーワードが連結して一つのキーワードとなるような複合語が合った場合に,自動的な色付けに支障をきたす場合があることがわかった. さらに,携帯モニタに字幕個別表示を行う方法について検討を行い,実際の端末における文字の視認性の検証を行った.
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