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2011 Fiscal Year Annual Research Report

コミュニケーションの創発過程を具現化する聴覚障害児の数学の授業のための教材開発

Research Project

Project/Area Number 21300287
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

江森 英世  群馬大学, 教育学部, 教授 (90267526)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森本 明  福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (60289791)
Keywords数学教育 / 数学的コミュニケーション / コミュニケーションの創発性 / 反省的思考 / 反照的思考 / 表現 / アブダクション / 推論
Research Abstract

平成23年度は,前年度に行った創発連鎖における反省的思考と情動的経験に関する考察を基に,「目標(3)記述された行為の能動性と協働性の分析方法の開発」に着手した.本年度の研究で得られた成果は以下の通りである.
「私たちが行う個人の問題解決過程に必然的に必要となる「表現1→反省的思考1→表現2→…→反省的思考n-1→表現n(安定した表現)→反照的思考1→構造の発見1」という思考の連鎖に対して,他者とのコミュニケーションは,「他者の表現→反照的思考→構造の発見」という過程が挿入されることにより,「表現f→…→反省的思考n-1→表現n(安定した表現)」という反省的思考の一部の過程を省力化する効果を発揮することがある.ここで重要なことは,思考の省力化が次なる思考へのより高度な集中をもたらし,個人では達成できなかった新しいアイデアの想起をもたらすことにある.反省的思考の一部の過程の省力化は,「表現n(安定した表現)→反照的思考1→構造の発見1」という反照的思考の過程に,さらなる発見をもたらす「(構造の発見1→)反照的思考2→構造の発見2」という過程を導き出す可能性を高める.送り手が自分の思考の対象を顕在化させるために表した例示が,他者にとって何らかの反照的思考をもたらす表現となれば,送り手も受け手も所持していなかったアイデアが創発される可能性が出てくることになる.
私たちは抽象的には考えられない.「思考には必ず思考の対象が存在する」という立場を前提にすると,反省的思考とは思考の対象を表すという表現活動に対する思考である.その一方で,反照的思考の特徴は,この思考によって表現の改良がもたらされない点にある.反照的思考とは,それまでの試行錯誤によって精緻化されてきた表現を観照することにより,例示された表現に新たな解釈としての選択的知覚を与える思考のことである.」

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

東日本大震災に伴って起きた福島原子力発電所の事故により,研究分担者の所属する福島大学では,避難者の引き受け等,震災関連の諸問題が発生したが,研究分担者ならびに研究協力者の尽力により,聴覚障害者へのケアーなど,予定外の成果ももたらされた。研究環境が整わず,厳しい1年であったが,研究計画に従い,予定どおりに研究を進行させることができた。

Strategy for Future Research Activity

本研究の4年目となる平成24年度は,5年間の研究をまとめる最終ステップへと向かうことになる。これまでの3年間の成果を整理統合しながら,研究計画に従い,予定どおりに研究を進めることにする。なお,東日本大震災に伴ってその問題の所在が明確になってきた,災害発生時の聴覚障害者への情報伝達や情報提供という問題について,私たちの研究,すなわち,コミュニケーションという観点から,当初の計画にはない問題へもできる限り対応していくことにする。

  • Research Products

    (7 results)

All 2012 2011

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 緊急災害時における聴覚障害者の情報伝達保障支援の状況分析2012

    • Author(s)
      森本明・松崎博文・米山文雄・中村好則・江森英世
    • Journal Title

      福島大学研究年報平成23年度別冊

      Pages: 37-41

  • [Journal Article] 推論を学ぶ。表現を創り出すことを学ぶ。2012

    • Author(s)
      森本明
    • Journal Title

      教育科学「数学教育」

      Volume: 第652号 Pages: 111-112

  • [Journal Article] 聴覚障害児童生徒の数学的な見方・考え方・態度に関する調査研究2012

    • Author(s)
      中村好則・森本明・米山文雄
    • Journal Title

      ろう教育科学

      Volume: (印刷中)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 数学的活動の充実 もう一歩先へ 変わる中学校数学2011

    • Author(s)
      森本明
    • Journal Title

      ニューサポート高校「数学」

      Volume: 第16巻 Pages: 4-7

  • [Presentation] 聴覚特別支援学校における防災教育状況調査報告2011

    • Author(s)
      森本明・米山文雄・中村好則・江森英世
    • Organizer
      第53回ろう教育科学会
    • Place of Presentation
      兵庫県学校厚生会館
    • Year and Date
      20110730-20110731
  • [Book] 数学的コミュニケーション論序説2012

    • Author(s)
      江森英世
    • Publisher
      明治図書(印刷中)
  • [Book] 発問&板書で丸わかり!中学校新数学科授業ライブ 第2学年編2011

    • Author(s)
      江森英世 編著
    • Total Pages
      114
    • Publisher
      明治図書

URL: 

Published: 2013-06-26  

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