2013 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションの創発過程を具現化する聴覚障害児の数学の授業のための教材開発
Project/Area Number |
21300287
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
江森 英世 群馬大学, 教育学部, 教授 (90267526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 明 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (60289791)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 聴覚障害児教育 / 数学教育 / コミュニケーション |
Research Abstract |
研究初年度の平成21年度から私たちが4年間,目標としてきた研究の到達点は「コミュニケーションの創発過程を具現化する聴覚障害児の数学の授業のための教材の開発」である。私たちが行った教材開発の特徴は,とりわけ,コミュニケ-ションの創発過程を視座とした点にある。 子どもが対話を通して問いを創出し追求する,その連鎖からなる授業過程の具現によって創り出される授業スタイルは,学びを創る責任を教師が全て担う従来の聾学校の伝統的なものとは異なると私たちは考えている。学びを創る責任を子どもに委ねる,この授業スタイルは算数・数学のアイディアを教師が子どもに伝え授けるのではなく,子どもが対話を通して数学のアイディアを再発明するという教材観を要請する。この教材観の支持が,新たな算数・数学の教材開発が迫られた理由である。コミュニケ-ションの創発過程は,算数・数学の授業過程の観察を裏付ける研究代表者江森の理論的な検討による成果である。それは,従来の授業過程における子どもが対話を通して,問いを創出し追求する授業過程の,埋もれていた算数・数学特有のメカニズムを掘り起こすことにつながった。掘り起こされたこのメカニズムは,創発という新たな視点から見直され,算数・数学の学びの本質に関わる授業過程として価値づけられた。その実践的検討は,研究分担者である森本によってなされ,コミュニケ-ションの創発過程を視座とすることで教師が授業前に設定した目標や内容,方法を子どもとの対話のなかで教師が常に振り返り,新たな目標や内容,方法を顕在化し,創発という視点から再構成することが必要かつ重要であることの一端を,聾学校や健聴学校の教師たちの協力のもと,実践的に明らかにしてきた。 研究を通して新たな課題も見えてきた。コミュニケーションの創発過程の質を,ことば・考え・信念の交換や情意の変容との関連でいかに捉えるかである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)