2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己調整学習を支援する協調フィルタリングを用いた英語学習環境の構築と評価
Project/Area Number |
21300302
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 祐平 東京大学, 大学院・情報学環, 准教授 (50252565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 政寛 金沢大学, 大学教育開発支援センター, 准教授 (10466831)
松河 秀哉 大阪大学, 大学教育実践センター, 助教 (50379111)
北村 智 東京大学, 大学院・情報学環, 特任助教 (40511960)
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Keywords | 自己調整学習 / 適正処遇 / 認知的学習方略 / 社会的支援 / 「井の中の蛙」効果 / 英語学習 / 学業的自己概念 |
Research Abstract |
本研究では英語学習者が継続的なオンライン学習を促進することを目的に、自己調整学習支援機能を適正処遇、社会的支援・認知的支援の観点からオンライン英語学習環境を構築し、評価を行うものである。本年度では、適正処遇の観点で学習者の文脈に合わせて適正処遇を行うための学習支援技術として、協調フィルタリング技術に着目し、評価を行った。具体的には、協調フィルタリング技術を用いたオンライン英語学習環境の運用実践データを分析することで、オンライン英語学習環境における適性処遇の支援技術としての協調フィルタリング技術の可能性を検討した。収集したデータは英語学習スキル認知・コスト認知の2つのデータとJACET8000を用いて作成した語彙テストのスコアである。スキル認知については塩谷(1995)、コスト認知は久保(1999)を用いた。それぞれ「よくあてはまる」「ややあてはまる」「どちらともいえない」「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」の5段階で評定を求めて行った。語彙テストは、JACET8000の難易度を参考に、8レベル(1:高頻度出現(易)~8:低頻度出現(難))のうちから、1レベルにつき10単語、合計80問でテストを作成した。協調フィルタリングについては興味・関心という観点から学習者に適合度の高い英語学習教材を推薦することは、必ずしも高い直接的な学習効果をもたらすとは言いがたい。また、学習の負担感の軽減につながるとも言いがたい。しかしながら、興味・関心という観点から学習者に適合性の高い英語学習教材を推薦することは、学習方法の理解という点でポジティブな効果をもつ可能性があることが示された。
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