2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブ・ラーニングの鍵を握る学習空間の複雑系ダイナミクスと知識創発現象の解析
Project/Area Number |
21300311
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安武 公一 Hiroshima University, 大学院・社会科学研究科, 講師 (80263664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (70304764)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90231381)
井上 仁 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 講師 (70232551)
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Keywords | 教育工学 / ネットワーク / 学習科学 / 複雑系 / 数理モデル |
Research Abstract |
今年度は1)実際の学習空間におけるネットワーク構造の可視化とその特性分析,2)学習空間におけるネットワーク構造を可視化するための手法の検討,3)Adaptive Network分析等最新の複雑ネットワーク科学の成果を取り入れたシミュレーション・モデルの開発に着手した. 1) については,学習環境で使われている実際のSNSデータを分析した.その結果,学習SNSコミュニティやコミュニティを介した人間関係のネットワーク構造には,ベキ分布等の特性があることが分かった.また,コミュニティ構造の生成ダイナミクスについてもいくつかの特性を観察することができに.ただし,これらのコミュニティ生成のダイナミクスと学習効果の関係については,まだまったく分かっていない. 2) については,可視化モジュールの部分をRのスクリプトとして開発する方針で再設計を行なっている.次年度には開発したシステムを実際の授業に導入し,1)で確認されたネットワーク現象の解析に取り組む予定である. 3) については,ネットワークの生成ダイナミスクと個々のエージェントの学習ダイナミクスの双方をとらえたシミュレーション・モデルの開発に取り組んである.系を構成するミクロ要素としての学習者と系を構成するマクロレベルでのネットワークのダイナミクスの相互作用については未解明の部分が多く,それらを分析の射程にとらえるためには,系を構成する要素と系全体の関係をとらえたソーシャル・ブレインのアイデアが有効なのではないかという暫定的な結論に至っている.次年度にはこの方向でシミュレーション・モデルの精緻化を行ない,1)と2)で確認された現象を実験によって確認する作業に取り組む予定である. 以上の成果は各種国内外での学会で発表した.
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Research Products
(7 results)