2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波イメージング技術による木質文化財の生物劣化の非破壊診断装置の開発
Project/Area Number |
21300329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 義久 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10173402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永妻 忠夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00452417)
木川 りか 東京文化財研究所, 保存修復科学センター, 室長 (40261119)
奧村 正悟 京都大学, 農学研究科, 教授 (40109046)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40230809)
簗瀬 佳之 京都大学, 農学研究科, 助教 (00303868)
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Keywords | ミリ波 / 非破壊検査 / 木質 / 文化財 / 生物劣化 / イメージング |
Research Abstract |
100GHzのミリ波の発信および検出装置を試作し、様々な木材に対するミリ波の透過および反射特性を評価し、材質や内部欠点のイメージングの可能性を明らかにした。平成21年度は、診断装置の基本部分を構築し、装置の基本性能を把握した上で、木質に対するミリ波の透過および反射強度とその分布を検討した。その際ミリ波ビームをレンズ系を用いて絞り込んだ系や導波管を用いた近接場での検出系などにおいて特性を検討した。またIQミキサを用いて参照ミリ波に対する木材を透過したミリ波の位相を求める実験にも着手した。 ミリ波の透過強度は木材の密度や含水率とともに低下するだけでなく、ミリ波の偏波の方向と繊維走行とがなす角度によって周期的に変化することが確認できた。また樹種によって特異的に透過強度が強くなる場合があり、これがミリ波の波長(約3mm)と年輪などの木材の組織学的な特徴との関連で説明しうることを見出した。 またミリ波による文化財建造物の非破壊診断のためのより実践的な技術として反射系において木材内部の材質変動、欠点や劣化などを検出する手法を検討した。漆などで塗装した木製品についてミリ波の反射画像から塗装下地の木目やその深さでの欠点が可視化できることがわかった。またより深い位置での欠点検出には周波数や強度の最適化が必要であることも明らかになった。
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Research Products
(11 results)