2011 Fiscal Year Annual Research Report
古代日韓における青銅器の製作および流通と原料産地の変遷に関する研究
Project/Area Number |
21300331
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (50205663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤尾 慎一郎 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (30190010)
土生田 純之 専修大学, 文学部, 教授 (50228524)
亀田 修一 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (10140485)
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Keywords | 考古学 / 韓国 / 文化財科学 / 青銅器 / 産地推定 / 鉛同位体比 / 朝鮮半島 / 分析化学 |
Research Abstract |
今年度は最終年度なので、日本と朝鮮半島の出土資料とその鉛同位体比データの集成を行った。 朝鮮半島出土資料としては、引き続き発掘調査財団との連携のもとに、旧百済地域から発掘された資料を中心として分析と結果の報告を行い、データの蓄積を図った。2011年度は、京畿文化財研究院との連携のもとに、雲井遺跡出土資料などの調査と試料採取を行った。 また日本国内出土資料としては、昨年度に最初期の日本産原料の使用例として確認された6世紀末~7世紀初の中村1号墳(島根県)出土資料について、日本文化財科学会第28回大会(筑波大学、6月)で口頭発表を行った。ヒ素の存在に関する質問が出たが、成分分析は実施していなかったため、不明としか答えられなかった。ただし、鉛濃度がきわめて低いことは確かなので、蛍光X線法による簡易な分析が要望された。くらしき作陽大学の澤田秀実准教授たちと、広島・岡山・島根をフィールドとする共同研究を行い、6~7世紀の銅鋺から試料採取を行った。その成果は第5回アジア鋳造技術史学会(奈良県立橿原考古学研究所、8月)で、「6~7世紀における出土銅鋺の理化学的研究」(澤田秀実、齋藤努、長柄毅一、持田大輔)として口頭発表された。中国産・朝鮮半島産・日本産原料のものが見つかったが、残念ながら日本産原料として最古のものは7世紀末であり、中村1号墳出土資料の結果をさかのぼるものではなかった。
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Research Products
(14 results)