2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 守 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (50373452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 和之 独立行政法人海洋研究開発機構, 研究員 (70419133)
岩花 剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 特任助教 (70431327)
松岡 憲知 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10209512)
杉本 敦子 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (50235892)
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Keywords | 永久凍土 / 活動層 / モンゴル / 長期観測網 / 水安定同位体 / ピンゴ / 地下氷 / 永久凍土発達編年 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度までにモンゴルの広範に設置した永久凍土観測網からいくつかの実測値が取得でき,それによって、同国における永久凍土温度動態の一般的傾向が把握できた。さらに再解析データによる気候値解析、約30年前の凍土観測値などを併せて解析した結果、ここでの永久凍土は国土の北部で顕著に温暖化していること、国土南部の一部では寒冷化していること、これらの地理的傾向は気温上昇のそれと非常によく一致していることなどがわかった。 モンゴル北部の連続永久凍土帯にて、深度35mに達する深層凍土ボーリングを行った。ボーリングコアの記載、年代試料分析、地下氷の水安定同位体解析、ボーリング地点及び周辺の地形解析などから、ここでの永久凍土発達史を編むことができた。永久凍土の形成史は世界的にみても殆ど解明されておらず、本研究の成果は特筆すべきものである。 モンゴル永久凍土帯に数多く分布する湖沼について、その面積の長期変動をリモートセンシングおよび現地調査などにより調べた。湖沼域は国土北部の連続的永久凍土分布域で顕著に減少している一方、国土南部の不連続・孤立的永久凍土分布域ではあまり変化していなかった。上に記した永久凍土変動の地理的傾向や、再解析データによる気候の長期変動傾向などを併せて検討した結果、永久凍土の衰退が湖沼域の拡大に大きく寄与していることが示された。
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