2011 Fiscal Year Annual Research Report
畑地土壌管理が窒素循環と亜酸化窒素の動態に及ぼす影響の解析
Project/Area Number |
21310003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 教授 (80168947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成澤 才彦 茨城大学, 農学部, 准教授 (90431650)
小松崎 将一 茨城大学, 農学部, 准教授 (10205510)
加藤 亮 東京農工大学, 農学研究院, 准教授 (10302332)
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Keywords | 亜酸化窒素 / 温室効果ガス / 脱窒性糸状菌 / 不耕起栽培 / カバークロップ / 糸状菌内生細菌 / 硝化アーキア / 地下水硝酸態窒素 |
Research Abstract |
第1副課題「畑地土壌におけるN20発生の分析」では、昨年度に開発した「N20連続測定システム」と抗菌剤を用いた細菌・糸状菌の分別測定技術によって、不耕起畑地壌のN20発生ポテンシャルの季節変化を測定した。その結果、(1)年平均値では、糸状菌のN20発生活性は細菌の活性とほぼ同レベルであること、(2)両者の活性はともに収穫前にピークとなる変動を示すこと、が明らかになった。また、不耕起・草生栽培を対象として農耕地土壌から排出される温室効果ガスの排出と吸収に関する圃場試験を実施した結果、亜酸化窒素の排出量は耕うん直後では耕起〉不耕起・草生区を示し、不耕起・草生区では、草生による窒素吸収により排出が抑制された可能性が認められた。第2副課題、「N20生成微生物(脱窒細菌、硝化細菌)と糸状菌の動態解析」では、環流土壌モデルを用いて、農薬(ノニルフェノールスルホン酸銅剤)が硝化アーキアと硝化細菌の動態に及ぼす影響を検討し、硝化細菌に比べて硝化アーキアが高い耐性をもち、農薬負荷土壌での活性の担い手になる可能性を明らかにした。第3副課題、「脱窒性糸状菌の分離と同定」では、NR区土壌から171株、NF区土壌から47株の酵母及び糸状菌を分離し、約60%の菌株が硝酸塩からN20を生成する結果を得た。特に、Fusarium subglutinas、Gibberella intermedia及びNectria mauritiicolaに近縁な株で高いN20生成活性が検出された。第4副課題、「熱帯土壌の解析」では、インドネシア・ナンジュック地域での農業地域での水収支解析を行い、河川、地下水の連続水質調査を実施した。結果として、熱帯土壌においても畑作の多い乾期において地下水の硝酸態窒素濃度は河川水より低い濃度であることが分かった。
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Research Products
(12 results)