2011 Fiscal Year Annual Research Report
動物プランクトンの非捕食死:現場個体群における重要性と生態系に与える影響の解明
Project/Area Number |
21310019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 一生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00301581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 雄二 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所資源海洋部, 主任研究員 (90392901)
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Keywords | 海洋生態系 / 食物網 / 物質循環 / プランクトン / 生活史 / 餌料環境 |
Research Abstract |
前年度末から収集していた現場における非捕食死個体推定のための生化学試料(核酸比・酸化ストレスマーカー)が、東日本大震災に伴う停電により全て溶け、腐敗し分析不能となってしまったため従来計画していた親潮海域の現場観測・実験的手法から、過去試料の分析に重点を置いて解析を行った。親潮域ではカイアシ類Eucalanus雌親の餌料摂取履歴が生み出された幼体の死亡率に間接的に影響することを明らかにした。これは珪藻餌料摂取量に正比例して増加することが明らかとなったが、高度不飽和脂肪酸やリン脂質を十分に蓄積しでいる雌親から生み出された幼体では影響が少ない事が明らかとなった。また昨年度行ったポストブルーム期航海の試料解析を行い、初夏の動物プランクトン群集の餌環境と摂餌圧の解析を進めた結果、この時期のカイアシ類群集の主要餌料として繊毛虫等の微少動物プランクトンに加え、クリプト藻が重要である事が明らかとなった。
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