2009 Fiscal Year Annual Research Report
オゾンとCO_2が日本の主要樹木のテルペン類放出に及ぼす影響
Project/Area Number |
21310026
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
谷 晃 University of Shizuoka, 環境科学研究所, 准教授 (50240958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 達 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80135607)
酒井 担 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10092214)
伊藤 創平 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70372836)
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Keywords | オゾン / イソプレン / モノテルペン / 曝露 / CO2 / ミズナラ / ブナ |
Research Abstract |
本研究の目的は,CO2とオゾンが植物のテルペン類放出におよぼす長期影響を明らかにし,気候変動にともなう植物からのテルペン類放出量の推定モデルの構築に必要なデータを取得することである.本年度は以下の研究を実施した. (1)オープントップチェンバーを用いたオゾンとCO2の複合暴露システムの開発 (2)既存のオープントップチェンバーを用いたオゾン暴露実験での実験植物のテルペン放出測定 (1)では,自然光を利用した小型オープントップチェンバーを設計製作した.小型オープントップチェンバーはアクリル製で,樹木実生が十分に収容可能な底面積0.6m^2,高さ1m程度とする.12基を製作する.これらを異なる環境(CO2濃度3区(大気濃度,800ppmv)×オゾン濃度3区(フィルター除去,大気濃度,大気濃度+40ppbv))に制御し長期間樹木実生を栽培する.小型ファンを用いて外気をチャンバー内へ引き込んだ.チェンバー内部で空気を撹拌し葉表面の気流速を10cm/s前後に維持できた.チェンバーに前室を設け,オゾンとCO2を複数の細孔から噴出させることで,チャンバー内部のCO2とオゾン濃度を設定値に制御できた.また,内部での濃度のバラツキを10%以内に抑えることができた. (2)では,神奈川県環境科学センターが実施している『丹沢でのブナの生育におよぼすオゾンの影響実験』で用いているブナとミズナラ実生のガスを採取する.ミズナラのみイソプレンを放出した.測定時は天候に恵まれず(曇天,雨天),使用できるデータ数が少なくオゾン除去区と雰囲気オゾン暴露区でイソプレン放出に有意な差は見られなかった.次年度も継続し,経年変化を調べる.
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Research Products
(2 results)