2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310040
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
大西 武雄 奈良県立医科大学, 医学部, 特任教授 (60094554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭久 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 准教授 (60275336)
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Keywords | p53 / NOラジカル / 放射線適応応答 / ストレス / 水浸拘束 |
Research Abstract |
(1) 正常型p53細胞(H1299/wtp53)にあらかじめの低線量放射線(0.02Gy)照射またはNOラジカル発生剤処理の6時間後に高線量(6Gy)照射した場合、高線量の単一照射と比べて明らかに放射線適応応答を示した。一方、変異型p53細胞(H1299/mp53)では同様の条件でも放射線抵抗性は認められなかった。適応応答はがん抑制遺伝子p53依存的であることを示した。正常型p53細胞に、あらかじめの低線量放射線照射またはNOラジカル発生剤処理の6時間後、Hsp90阻害剤である20nM AAG存在下で高線量放射線照射すると、本来見られる放射線抵抗控が抑制された。一方、変異型p53細胞ではAAGの添加によって放射線感受性になった。この感受性は正常型p53細胞の詞線量の放射線照射したときとほぼ同じであった。 (2) ネズミ個体をあらかじめ低線量放射線照射すると、後の水浸拘束ストレス(RWIS)誘発胃粘膜障害を軽減することができることを報告した。今回、対照実験としてあらかじめのHSP誘導剤処理による胃粘膜障害とアポトーシス発現頻度のかかわりと、さらにあらかじめの低線量放射線照射によるHSPの蓄積について調べた。3時間のRWIS処理によってマウスの出血(胃粘膜障害)およびアポトーシス誘導は48.8%および13.6%であった。一方、あらかじめの低線量放射線照射群のRWISでは19.3%および9.2%と低い値を示した。同様にHSP誘導剤処理後、3時間のRWIS処理した時の胃粘膜障害およびアポトーシス誘導は16.5%および9.3%であった。あらかじめの低線量放射線した群は、同じ条件で非照射とした群に比べて、胃にHsp70およびHsp90が高発現した。
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