2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルな枠組みによる低エネルギー陽子線を用いた宇宙放射線線量計の研究
Project/Area Number |
21310042
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
内堀 幸夫 National Institute of Radiological Sciences, 基盤技術センター, 室長 (50342879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 仲宏 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 主任研究員 (30392244)
北村 尚 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 技術員 (90443069)
小平 聡 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 博士研究員 (00434324)
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Keywords | ICCHIBAN / 宇宙放射線 / 線量評価 / 加速器 / 校正 / 宇宙飛行士 / 線量計 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
放医研サイクロトロン加速器の陽子線ビームを利用して、宇宙放射線線量計の国際比較実験を行い、線量計を比較校正することを目的とし、今年度はビーム照射野の調整および照射設備の構築を行い、さらに、各国宇宙関連機関の線量計を集め、最初の比較実験を実施した。 まず、照射野の構築と線量評価のために、標準的な電離箱を導入するとともに、リファレンス用検出器やその読み出し電子回路系を整備した。さらに、PCコントロールの自動ステージを準備し、照射室外部から連続照射を可能とした。これらを利用して、70MeVおよび40MeV陽子線ビームを調整し、そのビームプロファイルが直径7cmの領域において5%以下で一様であることを確認した。また、線量評価を行い、指定線量においてビームを停止するシステムも構築した。 照射系の準備が整ったので、平成22年1月から2月にかけて、11ヶ国14機関から線量計を集め、当研究所において準備したホルダーに詰めて、同じ条件でビームを照射した。照射においては、照射線量を段階的に変化させる"Linearty実験"およびどのような線量を照射したか示さない"Blind実験"等を実施した。照射された線量計は、ただちに各機関に返送され、現在解析が行われているところである。今回の実験により、これまで、十分に校正が行われていなかった、1keV/um近辺における線量応答のデータが得られることが期待され、最近の宇宙実験において判明していた各線量計の応答の相違について明確な回答を得ることができると期待されている。 平成22年度には、新たなエネルギーのビーム照射野を構築し、再度、比較実験を実施し、データ点を増やすことを予定している。
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Research Products
(2 results)