2010 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物共通DOP-PCRプライマーを用いた大規模遺伝子発現解析法の開発
Project/Area Number |
21310044
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
寺岡 宏樹 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (50222146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (40168828)
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10271652)
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Keywords | オミックス / エコトキシコロジー / ダイオキシン / ゼブラフィッシュ / ニワトリ / カワウ |
Research Abstract |
昨年度までに確立した、半網羅的遺伝子発現解析法(脊椎動物共通DOP-PCRプライマーを用いた大規模ファレンシャルディスプレイ(DD)法)の有効性を確かめるため、カワウなど汚染野生動物試料を入手してダイオキシン応答遺伝子を探索した。また比較のためニワトリについても検討した。 1) 琵琶湖に生息するカワウのダイオキシンレベルとその応答遺伝子:我々の既報のとおり、琵琶湖に生息するカワウ成鳥由来の肝臓は非常に高いダイオキシンレベルを示した。しかし、個体ごとのばらつきが大きく、大規模DD法で常に発現変化が確認できたのは我々が既報したCYP1A4と1A5だけであった。そこで、琵琶湖沿岸で採取したカワウ胚を実験室へ持ち帰り、in ovoでダイオキシン(TCDD)を注入し、肝臓試料の大規模DD法を実施したところ、CYP2AF1と未知ncRNAを検出できた。CYP2AF1は成鳥の肝臓ではダイオキシン濃度と全く相関しないことから、その応答性は胚特異的であると考えられた。 2) ニワトリ胚肝臓におけるダイオキシン応答遺伝子:カワウ胚と比較するため、ニワトリ受精卵にTCDDを投与し、肝臓について大規模DD法を実施したところ、既報のCYP1A4や1A5の他、これまでダイオキシンとの関係を報告されていない9種の遺伝子と1種の未知遺伝子の発現変化が認められた。 水銀汚染が報告されている奄美大島や沖縄のマングースについては、高度汚染個体が捕獲されなかったので検討していない。共同研究者がマングース肝由来の樹立細胞に取り組んでいるが、まだ途中段階である。
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Research Products
(9 results)