2011 Fiscal Year Annual Research Report
投射神経可視化マウスを用いた周生期ビスフェノール曝露影響の解析
Project/Area Number |
21310047
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 肇 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80212322)
|
Keywords | マウス / ビスフェノール |
Research Abstract |
ビスフェノールなどのエストロゲン様化学物質を胎児期や新生児期に曝露した個体では、成熟時に様々な影響が生じることが知られている。数多くの報告がなされながらも明確な結論が出ず、その影響が懸念される問題の1つにビスフェノール曝露による性成熟や性周期への影響がある。本研究の目的は、新生児へのビスフェノール曝露が神経系に及ぼす影響について、投射神経可視化マウスを用いた解析とゲノムレベルからのエピジェネティックな解析を進めることにより、その分子機構を解明することにある。これにより、エストロゲン応答性の神経線維の投射における、化学物質曝露による影響を明らかにする。今年度はエピジェネティックなプログラムの解析を中心に解析を進めた。前年度の結果をもとにリストアップしたゲノム領域をモデルとして、新生児期から成熟期に至るまで、ゲノムDNAのメチル化状態、およびピストンの修飾状態を経時的に解析した。これにより、新生児の暴露によってエピジェネテイクなプログラムに変化が生じた遺伝子の候補を明らかにした。メチル化DNAの検出には、バイサルファイト法を用い、ヒストン修飾の解析には通常のクロマチン免疫沈降法を用いた。ヒストン修飾解析として用いる抗体としては、H3K9Ac,H3L4Me、H3K9Me、H3K27Me,などを用いた。これにより、新生児曝露の影響が成熟期にまで及ぶメカニズムについて、エピジェネティックな観点から全体像を明らかにする基礎的知見を得た。
|