2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物による藍藻産生毒素分解機構の解明とその水環境修復への利用
Project/Area Number |
21310049
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉浦 則夫 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (10302374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 真生 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60323250)
間世田 英明 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (10372343)
岡野 邦宏 秋田県立大学, 生物資源学部, 助教 (30455927)
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Keywords | 生物膜法 / 水圏現象 / 水環境修復 |
Research Abstract |
本年度は,本研究グループで単離したmicrocystin分解菌C-1株の特性解析、microcystin分解菌(MD-1株、C-1株)を用いてmicrocystin分解酵素遺伝子群の探索、同定したmicrocystin分解酵素遺伝子群ホモログの特性解析及びmicrocystin分解菌の自然環境中での動態解析を行った。 まず、C-1株の特性解析により、C-1株はSphingopyxis sp.であり耐アルカリ性細菌であり、既に保有しているMD-1株とは異なる性質をもっていることがわかった。次に、Inverse PCR法により既知配列周辺(mlrA)の塩基配列を解析したところ、MD-1株及びC-1株ともに既に報告があるmicrocystin分解酵素遺伝子群(mlrA,mlrB,mlrC,mlrD)のみならず2つの遺伝子を分解酵素遺伝子群周辺に保有していることを明らかにした。そこで、それらをそれぞれmlrE,mlrFと名付け平成22年度に特性解析を行なう予定である。次に、同定したmicrocystin分解酵素遺伝子群(mlrA,mlrB,mlrC,mlrD)を個別に大腸菌に導入し発現させmicrocystin分解特性を解析し、microcystin分解機序を明らかにした。さらに,microcystinからその分解産物を単離取得する手法を開発した。ここでmlrDは,microcystin分解に直接関与しないことがわかり,遺伝子データベース上の既知遺伝子の塩基配列との相同性検索からmicrocystinやその分解産物の取り込みに関与することが考えられた。 自然環境中におけるmicrocystin分解菌の動態解析については,東北地方のアオコ発生事例があるダム・湖沼のアオコ発生時のサンプリングと霞ヶ浦のアオコ発生時のサンプリングを行ない,主要な水質項目を分析するとともに、それぞれのサンプルからDNAを抽出した。平成22年度のサンプルとあわせて定量PCR法により,microcystin分解菌の動態解析を行なう予定である。
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