2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内山 裕夫 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00185042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 暢彦 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60292520)
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Keywords | 環境修復技術 / 微生物 / 複合微生物 / ネットワーク / 汚染物質 |
Research Abstract |
生物を用いて汚染環境を修復する技術すなわちバイオレメディエーションでは、汚染物質を分解する微生物の働きがこの技術の成功を左右する最も重要な操作因子であるが、本技術の対象となる土壌環境あるいは水環境においては様々な微生物が生存している。従って、多種多様な微生物の中から汚染物質分解に関与する微生物のみを賦活化して浄化を進める事が環境への影響を最小限に止めるために必要である。本研究では、分解に関わる微生物を明らかにするため、分解に直接および間接的に関わる微生物の時系列的変動の解明に取り組み、分解微生物ネットワークの動的全貌の解明を目指した。まず、分解に直接的に関わる微生物のうち異化的分解菌を特異的に検出するSIP-D(Stable Isotope Probing for Dissimilation)法の高度化を図り、用いるべき適切な標識炭素源について検討した結果、テトラクロロエチレン(PCE)分解過程の解析にはピルビン酸やフマル酸等の混合体が有効である事が示唆された。また、石油分解に関する直接的分解菌およびそれら分解産物を利用する間接的分解菌の解析をSIP-D、SIP等を用いて行い、特定された微生物の同定と分解産物の時系列変動とにより分解微生物ネットワークの概要を明らかにする事が出来た。さらに、多環芳香族炭化水素の分解には細菌と真菌の相互作用が存在する事を明らかにした。一方、前年度に構築した複合系の構造および機能を観察するための光学的顕微鏡観察技法を用い,ムコイド生産、非生産株の棲み分けを識別できるに十分な機能を有す事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異化的分解菌を特定的に検出するSIP-D(Stable Isotope Probing for Dissimilation)法の高度化には多少の検討余地が残されているものの技術的確立はほぼ終了した。また、分解微生物ネットワークの解明も石油分解、多環芳香族化合物に関しては順調に進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、揮発性有機塩素化合物の分解産物として予想されるハロ酢酸類、ハロアルコール類を化学分析手法で解析する事を計画したが、それらの分析技術が未完成であり、本研究に於いてもその開発を目指したが未だ困難である事に変わりはない。このため、当初計画を変更して解析に努めている。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Intercellular events in bacteria2011
Author(s)
Masanori Toyofuku, Hiroo Uchiyama, Nobuhiko Nomura
Organizer
The 8^<th> International Union of Microbiological Societies (IUMS)
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター(北海道)(招待講演)
Year and Date
20110906-20110910
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