2011 Fiscal Year Annual Research Report
土壌細菌殺虫性タンパク質からの安心安全なタンパク質殺虫剤の実現
Project/Area Number |
21310051
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30235428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国見 裕久 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50195476)
|
Keywords | 殺虫剤 / Cry toxin / 進化分子工学 / Bacillus thuringiensis |
Research Abstract |
1.Cry1Aa毒素のループ3変異体のカドヘリン発現細胞への感受性評価 Cry1Aa毒素のループ3部位に変異を導入した変異体の中から受容体であるカドヘリンに対して親和性が10倍以上向上した変異体が3種類採れたが、それらのカイコガ幼虫に対する殺虫活性は向上していなかった。しかし、幼虫の活性に対しては、消化液に対する耐性の変化など様々なファクターが影響を与えうるので、変異体の細胞傷害活性が本当に向上したか否かについては培養細胞に受容体を発現させた細胞を用意して評価する必要がある。そこで、そのような実験を行ったが、活性は2倍程度しか上がっていなかった。したがって、結合親和性は上がったが同時に他の機能に不具合を生じ、結果的に活性が相殺されたか、あるいはカドヘリンが真の受容体ではない可能性が考えられた。 2.ファージディスプレイライブラリーからのカイコガカドヘリンに対して結合親和性が向上したCry1Aa変異体のスクリーニング Cry1Aa毒素のループ2部位に変異を導入した3種のライブラリーから、カイコガの受容体であるカドヘリンへの結合性が向上した変異体の選抜をバイオパニングで実施し、カドヘリンへの結合親和性が10倍以上向上した変異体が3クローン獲得できた。これにより、今回構築した方法で、受容体に対して結合親和性が向上した変異体を容易に選抜できることが再確認された。 3.ファージディスプレイライブラリーからのゴミムシダマシのカ,ドヘリンに対して結合親和性が向上したCry1Aa変異体のスクリーニング Cry1Aa毒素のループ3部位に変異を導入した2種のライブラリーから、ゴミムシダマシのカドヘリンへの結合性を獲得した変異体の選抜をバイオパニングで実施し、全くないところから明らかに結合性を獲得した変異体を1クローン獲得した。2.3.に関しては受容体を発現させた培養細胞の系による活性向上の評価が待たれる。
|