2010 Fiscal Year Annual Research Report
残留ガストラップによる安定型CO2地下貯留法の開発
Project/Area Number |
21310053
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
末包 哲也 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30262314)
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Keywords | 二酸化炭素 / 地下貯留 / CCS / 残留ガストラップ / X線CT / 多孔質 |
Research Abstract |
昨年度までの研究に於いて,二酸化炭素地下貯留技術の安全性評価において重要になるトラップメカニズムの内,残留ガストラップについては初期ガス飽和率がトラップ量に大きな影響を与えることが明らかになってきた.これを受けて本年度は初期ガス飽和率を制御する方法について指針を得るために,主に2つの研究開発を推進した.ひとつは,水とガスの同時圧入によるトラップ量制御である.同時圧入量と飽和率の関係を示すモデルを構築し,その妥当性を実験により確認した.CO2の圧入に際して,わずかに水を添加することで,初期ガス飽和率を低く抑えることができ,次いで,移動しうるガス量を低下させることができることを明らかにした.特に,非凝結性の岩石の場合,効果が顕著に表れることを示した.もう一つの方法は,初期のガス圧入速度と重力の影響である.ガス圧入速度を低下させると,高い置換効率を達成することができる.また,鉛直下向きに圧入した場合,重力により置換界面が安定化させられるために,高い置換効率を達成可能であることを明らかにした.これらの実験的研究は主に均質な多孔質・岩石を用いて行ったが,多孔質媒体の不均質性が大きく影響することが示唆され,今後の課題として,不均質性が存在する場合に,ガス飽和率をコントロールする方法を開発していくことが必要である.
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