2010 Fiscal Year Annual Research Report
クリーニング作物と乳酸発酵を核とした地下水硝酸汚染抑制・資源循環システムの構築
Project/Area Number |
21310054
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤原 拓 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (10314981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大年 邦雄 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (00127060)
前田 守弘 岡山大学, 環境学研究科, 准教授 (00355546)
赤尾 聡史 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (30448196)
永禮 英明 岡山大学, 環境学研究科, 准教授 (60359776)
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Keywords | 地下水汚染 / 亜酸化窒素 / 窒素 / リン / クリーニング作物 / 乳酸発酵 / 資源循環 |
Research Abstract |
地下水汚染抑制、温室効果ガス放出抑制、資源循環を同時に実現するクリーニング作物と乳酸発酵を核とした新規システムの構築を目指し、一連の研究を行った。 高知大学農学部のスイカ栽培ハウスおよび岡山県内のナス栽培ハウスにおいて、各々スイカおよびナスの収穫後にクリーニング作物を導入し、その効果を評価した。上記2箇所の試験のいずれにおいてもクリーニング作物の導入によって、窒素溶脱を大幅に削減できることを現地埋設型ライシメータを用いて明らかにした。一方、クリーニング作物が亜酸化窒素排出に及ぼす影響は、高知大学での栽培試験ではクリーニング作物栽培系列では栽培しない系列より排出量が半減したのに対して、岡山県での栽培試験では発生抑制効果は小さかった。また、硝酸性窒素吸着能を有する炭を作土下に埋設することによって、窒素溶脱を低減できることをポット栽培試験で示した。 クリーニング作物の糖化・L-乳酸発酵のための複数の前処理方法を検討した結果、アルカリ/過酸化水素処理によりクリーニング作物(トウモロコシ)から89%(セルロースあたり)のグルコース回収が行えた(単糖回収率:73%、ホロセルロースあたり)。また、回収糖化液のL-乳酸発酵を行い、発酵残渣(固形物)の肥効組成を示した(窒素12.1%、リン1.8%、カリウム0.4%)。なお、発酵残渣を生菌剤とした栽培実験を試みたが、効果は確認できなかった。 開発システムからのリン回収に関しては、トウモロコシからのリン抽出方法を昨年度に引き続き検討した結果、リンと同時に有機物の一部がリンの90倍(モル比)液中に溶出し、溶出炭素量はバイオマス中炭素量の14~17%であることがわかった。
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