2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源から化学原料を製造するバイオファクトリー反応技術の研究
Project/Area Number |
21310056
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
筒井 俊雄 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 准教授 (60133097)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊地知 和也 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (60041555)
|
Keywords | バイオマス / 廃糖蜜 / バガス / 水熱反応 / ゼオライト / 有機酸 |
Research Abstract |
1. 酸共存水熱反応の研究 バイオマス実原料として廃糖蜜やバガスなどを用いて水熱反応を行い、以下の結果が得られた。 1) 廃糖蜜を用いた250℃、6minの反応から、酸を用いることで脱水反応が進み、5-ヒドロキシメチルフルフラールを経てレブリン酸が高収率に得られた。酸を用いないと逆アルドール反応生成物が主体となる。 2) 廃糖蜜の反応性はグルコース、フルクトース、スクロースとほぼ同様で、反応阻害は生じなかった。 3) 酸を用いてバガスの水熱反応を行った結果、180℃の低温条件では10minまでは主にフルフラールが生成(ヘミセルロースの反応が進行)し、40minの反応時間ではレブリン酸の収率が増大してセルロースの反応が進むことがわかった。300℃の高温では、1minの短時間でもレブリン酸が高収率に生成したが炭素質物質の生成も増加した。有用生成物の収率は低温長時間の方が高く、180~230℃程度が最適と推定された。塩酸の場合、0.1mol/L程度の濃度が望ましいことがわかった。 2. 有機酸のゼオライト転化反応の研究 酢酸、乳酸、酪酸など、バイオマスの水熱反応あるいは酸発酵で生成する有機酸のゼオライトによる転化反応を行い、以下の結果が得られた。 1) 反応装置内での供給原料の有機酸とゼオライト触媒の接触方法の検討から、有機酸を反応温度まで昇温する過程で熱反応を生じると重合など副反応がおこり、高い収率が得られないこと、有機酸を高温のゼオライト触媒に直接接触させることで、高収率の転化が可能となることがわかった。
|
Research Products
(3 results)