2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源から化学原料を製造するバイオファクトリー反応技術の研究
Project/Area Number |
21310056
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
筒井 俊雄 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (60133097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊地知 和也 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (60041555)
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Keywords | バイオマス / バガス / 廃糖蜜 / 水熱反応 / ゼオライト / 有機酸 |
Research Abstract |
バイオマス実原料としてバガスや廃糖蜜を用い、バイオファクトリー反応技術として、下記の成果を得た。 [要素反応技術研究] バガスの水熱反応では、実用的に有用な水のみの条件での検討を行った。200~270℃、7分間の反応により、ヘミセルロース分に相当するバガスの30~40%が水溶性分解物に転化した。低分子量生成物として、220℃以下では単糖類、240℃では酢酸、270℃では酢酸および5-HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)が主生成物であった。また、0.01mol/Lの塩酸中では、240℃、7分間の反応により30~35%の水溶性分解物が得られ、その主成分としてレブリン酸と酢酸が得られることがわかった。 また、ゼオライトによるレブリン酸や5-HMFの触媒転化反応では、400~450℃の温度で、BTX類およびナフタレン類を主成分とする芳香族を高収率に取得し、原料化合物に含まれる酸素は主としてCOに転化することを明らかにした。 [プロセス技術研究] プロセス技術研究では、水熱反応生成物の効率的分離法の検討を行い、ゼオライトによりレブリン酸を高効率に吸着分離できることがわかった。また、廃糖蜜の酸発酵から得られる乳酸のゼオライト転化反応において、非定常反応法を適用することで熱分解タールの副生を抑制できることを明らかにした。
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