2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源から化学原料を製造するバイオファクトリー反応技術の研究
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21310056
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
筒井 俊雄 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 教授 (60133097)
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Keywords | バイオマス / 化学原料 / バガス / 廃糖蜜 / ゼオライト / バイオリファイナリー / バイオファクトリー / 吸着分離 |
Research Abstract |
本研究では、再生可能資源であるバイオマスの化学原料化プロセス技術(バイオファクトリー反応技術)を確立するため、利用性の高い農業廃棄物である廃糖蜜やバガスを原料として、炭素利用効率が高く、エネルギー消費の少ない統合プロセス技術の研究を行ってきた。本年度は最終年度であるため、これまで行ってきた水熱分解と分解物の触媒転化の2つの要素技術の最適複合化の検討と、低エネルギー消費の生成物分離技術に関する検討を行った。 1)要素反応技術研究として、後段の触媒転化において有用な化学原料への転化に適した中間生成物形態め検討と、そのために必要な水熱分解条件についての検討を行った。その結果、水熱分解物としてレブリン酸が最も高い芳香族収率・選択率を与える中間物であることがわかった。また、水熱分解をマイルドな条件(すなわち低コスト)で行い、アルデヒド、フルフラール系中間生成物とする場合には、芳香族収率は低下するが、軽油相当の高発熱量燃料油収率が高まることがわかった。 2)プロセス技術研究として、水熱反応生成物のレブリン酸の省エネルギー型分離法について検討し、ゼオライトを用いた吸着分離がきわめて有効であることを明らかにした。ゼオライトによる吸着容量はきわめて高く高濃度の濃縮分離が可能であり、使用するゼオライトによる触媒反応と組み合わせることで脱離工程が簡略化できる。蒸留法など従来技術の分離法に比べプロセスの所要エネルギーの大幅低減が可能なことを明らかにした。 3)プロセス性能研究として、触媒転化工程における熱分解・重合などの副反応を抑制するため、非定常反応法が有効で、重質成分の副生の抑制や反応器内のコーキング防止に有用であることを示した。
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Research Products
(4 results)