2010 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質PTFE膜を用いた真空蒸発による除去液中VOCの迅速・効率的な分離回収技術
Project/Area Number |
21310058
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 茂 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10137987)
|
Keywords | 多孔質PTFE膜 / 真空蒸発 / 除去液再生 / アジピン酸2エチルヘキシル / トルエン / 酢酸エチル / 分離回収技術 |
Research Abstract |
実際の塗装工場でのVOC除去の性能評価実験から、多孔質PTFE膜を用いた平行板型拡散スクラバーの除去処理装置により排気ガス中VOCを効率良く除去することは確認された。しかしながら、その一方で、排気ガス中VOCを除去した除去液の再生が必要不可欠となる。 そこで、本研究では、エネルギー・コスト的に優位性を持ち最近注目されている膜分離(パーベーパレション(PV))法を用いて、排気ガス中VOCを除去した除去液からVOCを揮発分離して回収し、再生した除去液を再び使用する循環効率的な除去液の再生処理装置を実用化する。 実際の塗装工場で排気ガス中VOCを吸収した除去液を除去液再生装置に導入した結果、Tolueneについては、75.8%の高い回収率が得られた。また沸点が76.8℃と低く蒸発しやすいEthyl Acetateにおいてはそれよりも大きい97.0%、沸点が138.4℃と高く蒸発しにくいXyleneについてはそれよりも小さい56.5%の回収率が得られた。各VOCの回収率は、その沸点に応じて異なる値となるが、6種類のVOC合計(ΣVOC)で75.0%という高い回収率が得られた。 除去液から蒸発して真空ポンプから排気されたVOCは、2段階の冷却凝縮装置により回収される。本装置による凝縮率はTolueneで93.5%、沸点の低いEthyl Acetateでは86.1%となり、除去液から蒸発して真空ポンプから排気された6種類のVOC全体(ΣVOC)では、95.6%と高い回収率が得られた。
|