2010 Fiscal Year Annual Research Report
直線状の極細金ナノワイヤーの合成・分離法とその配列・配線技術の開発
Project/Area Number |
21310063
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河合 武司 東京理科大学, 工学部, 教授 (10224718)
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Keywords | 金 / ナノワイヤー / ソフトテンプレート / 界面活性剤 / オルガノゲル |
Research Abstract |
近年、ナノ結晶の形態制御にゲルをテンプレートに用いる方法が注目され、現在盛んに研究が行われている。昨年の成果として、長鎖アミドアミン誘導体(CnAA)の鎖長を変えると、極細金ナノワイヤーの生成温度が制御でき、室温でも合成できることを明らかとした。本年は、副生成物の金ナノ粒子と金ナノワイヤーの分離法について検討した。 まず、側面に(100)結晶面を持つ金ナノワイヤーの分離精製条件を検討する前に、モデルシステムとして金ナノ粒子の結晶面による分離条件について検討した。金ナノ粒子が分散した水溶液とC18AAのクロロホルム溶液の2相系に1M NaOHを加えると、C18AAが金ナノ粒子に疎水基を外側に向けて吸着するために、金ナノ粒子は水相からクロロホルム相へと移動した。次に、1M HClを加えると、末端アミンがプロトン化したC18AAが金表面でbilayer構造を形成するために、金ナノ粒子は再び水相へと移動した。pHを繰り返し変化させることによって金ナノ粒子を可逆的に水相-クロロホルム相間で移動させることに成功した。また、クロロホルム相から水相に移動する粒子としない粒子が存在することがわかった。高分解能TEM、 XRD測定の結果、水相に移動する粒子は(111)面が少なく、一方、移動しない粒子は(111)面が多いことがわかった。このことは、相間移動を利用することにより(111)面が多い粒子と少ない粒子を分離できることを示している。そこで、(111)面が少ない金ナノワイヤーと(111)面が副生成物の金ナノ粒子の分離を試みた。その結果、金ナノワイヤーを合成したトルエン溶液にC18AA水を加えて相間移動を行ったところ、トルエン相には金ナノ粒子のみが存在し、金ナノワイヤーだけを水相に分離することに成功した。
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Research Products
(22 results)