2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズモニックナノシート:ナノ近接場界面の創出と応用探索
Project/Area Number |
21310067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉田 薫 Tohoku University, 教授 (80357483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 伸子 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 研究員 (90360635)
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (40312673)
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Keywords | 局在プラズモン / 銀ナノ微粒子 / 自己組織化 / 酸化チタン / 光触媒 / ハニカム構造 / FDTD計算 / チオール置換反応 |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、熱分解法により合成した粒径の揃った均一な銀ナノ微粒子(直径約5nm)からなる巨大二次元結晶シートを気水界面に作製し、局在プラズモン共鳴に関わる界面物理現象の理論的および実験的検証、ならびにさまざまな応用の可能性について模索する。二次元結晶形成により銀微粒子の局在プラズモン共鳴吸収は大きくレッドシフトするとともにピークの精鋭化(半値幅の減少)を生じる。我々はこの二次元結晶を"プラズモニックナノシート"と名付け、巨視的な光をナノ厚み界面に閉じ込め、二次元方向に高効率で導波できる転写自在のナノ材料として技術確立することを目指している。初年度の成果の概要は以下の通り。 -チオール置換によって銀微粒子二次元結晶の粒子間距離の制御に成功した。さらに共鳴角シフトの理論的検証をFDTD計算により実施し、二次元シート上に励起されたプラズモンの基本特性について明らかにした。 -銀ナノシート-金属基板間の強い電磁場相互作用について実験およびFDTD計算により検証した。 -銀微粒子表面での分子置換反応が金微粒子表面とでは大きく異なることを合成実験において発見した。銀微粒子表面の場合、チオール分子との置換反応は可能であるがジスルフィド分子とは反応しない。異種金属粒子間で選択的化学修飾できる可能性を見いだした(バイオマーカーとして有望)。 -銀ナノシート分解反応を利用した酸化チタンナノチューブの非接触触媒活性を発明し、論文にまとめるとともに新聞発表した(日経産業新聞:平成21年6月4日)。 -銀ナノ微粒子からなるハニカム膜を作製し、膜の光学特性について伝搬型SPR法を用いて評価し明らかにした。
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