2009 Fiscal Year Annual Research Report
1~10nm空間分解能を有する磁化変調自励共振型磁気力顕微鏡とナノスピン構造観察
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21310069
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石尾 俊二 Akita University, 工学資源学部, 教授 (90134006)
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Keywords | 磁気力顕微鏡 / 磁区構造 |
Research Abstract |
本年度は(1)円錐探針によるドットパターンMFM観察と分解能評価、(2)探針形状とMFM出力の相関に関するシミュレーション、(3)微細加工探針へのFePt薄膜のスパッタ製膜、並びに(4)(CoPd/Ru/CoPd)二重多層膜の作製とMFM磁区観察、の四項目の検討を行った。結果は以下の通りである (1)円錐探針によるパターンドットのMFM観察と分解能評価 直径15~300nmのFePt孤立ドットパターンを電子ビーム微細加工によって作製し、円錐型探針を用いたMFM観察を行い、分解能調査を行った。15nmの孤立ドットが明瞭に観察されており、MFM出力のサイズ依存性は探針サイズに比例した。 (2)探針形状とMFM出力の相関に関するシミュレーション 探針形状、磁性層の厚さ、飽和磁化等がMFM分解能に及ぼす影響を計算した。(1)の結果(MFMシグナル強度、S/N比)を参照してシミュレーションを行うと、単磁極型探針(先端径:10nm、探針-試料間距離:10nm)で、2000kfciの線記録密度の観察は可能であることが判った。単磁極型探針並びに機械強度の観点から、側面製膜が有効である。 (3)微細加工探針へのFePt薄膜のスパッタ製膜 高飽和磁化・高保磁力FePt膜を微細加工Si探針表面にコートする。そのために、SiO_2基板上にL1_0規則化・[001]配向FePt膜を作製する手法を検討し、SiO_2の微量添加が有効であることが分かった。また、この手法を用いて微細加工棒状探針にFePtを製膜した。 (4)(CoPd/Ru/CoPd)二重多層膜の作製とMFM磁区観察 Ru膜厚を0.2~2.5nmと変化させた垂直磁化(CoPd/Ru/CoPd)二重多層膜を作製し、ヒステリシス曲線、反強磁性結合および磁区構造を測定した。二重多層膜のヒステリシス曲線は、多層膜の上下層の磁化が(↑↑)(↑↓)(↓↑)(↓↓)の四値状態であることに対応した二段型ヒステリシス曲線であり、反強磁性交換磁場は最大1.5kOeであった。またMFM観察によって四値状態に対応した磁区構造を確認した。また磁区の時間緩和現象が観察された。
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Research Products
(6 results)