2010 Fiscal Year Annual Research Report
1~10nm空間分解能を有する磁化変調自励共振型磁気力顕微鏡とナノスピン構造観察
Project/Area Number |
21310069
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石尾 俊二 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (90134006)
|
Keywords | 磁気力顕微鏡 / 磁区構造 |
Research Abstract |
分子、クラスター、ナノ粒子や薄膜結晶表面の特異なスピン配列に関する基礎研究やテラビットを越える超高密度ストレージの開発を推進するためには、1~10nmの観察分解能を有する磁気力顕微鏡(MFM)の開発が必要である。本申請では、高飽和磁化・高分解能を有するMFM探針を開発してMFMの高分解能を図り、10~100nmクラスのパターン粒子の微細磁区解析を行うことを目的とした。 1.10nm以下の空間分解能を有するMFM探針の設計・開発 探針材料として高飽和磁化・高保磁力材料を用いると同時に探針先端形状の微細化が必要である。本研究では、高飽和磁化FeCoを磁性探針材料に選択し、Si探針への製膜には超高真空ヘリコンスパッタ装置を用い、基板回転・室温製膜を行うことによって高飽和磁化・高分解能探針を作製した。記録パターン観察から求めたMFM分解能は、直接観察評価で約20nm(フーリエ評価で約10nmに対応)であった。 2,ナノドットアレイの作製 反強磁性型交換結合した[Co/Pd]/Ru/[Co/Pd]二重多層膜ドットパターンとCoPt・FePt系ドットパターンの作製を行った。[Co/Pd]/Ru/[Co/Pd]ドットパターンは、微細加工基板上に製膜することによって作製し,ドット寸法は直径100nm~3000nmとした。CoPt・FePt系ドットパターンは、電子ビーム微細加工/イオンミリングプロセスによって作製し、ドット寸法は直径15nm~500nmとした。 3.ナノドットアレイの微細磁区構造観察と磁化反転機構の解明 [Co/Pd]/Ru/[Co/Pd]、CoPt・FePt系ドットパターンの微細磁区構造観察を行い、磁化反転過程を観察した。磁化反転磁場は[Co/Pd]/Ru/[Co/Pd]系では1k Oe程度、FePt系では20~30k Oe、CoPt系では約3~4k Oeであった。いずれの場合にも磁化反転プロセスは、ドット外周部のソフト磁性相と中心部のハード磁性相が結合した交換結合型磁化反転で理解された。外周部のソフト磁性層は、[Co/Pd]/Ru/[Co/Pd]では微細加工基板の形状効果、CoPt・FePtではイオンミリング時のダメージに起因すると考えられる。
|