2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体中の磁性元素凝集ワイヤの自己形成の制御とデバイスへの応用
Project/Area Number |
21310070
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 眞司 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40221949)
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Keywords | スピントロニクス / スピン偏極電子源 / 強磁性半導体 / クラスター / ハーフメタル / 磁気光学効果 / 異常ホール効果 |
Research Abstract |
本研究課題では、半導体に添加した磁性元素が結晶中で凝集する現象およびそのような物質系を研究対象とし、凝集メカニズムの解明、凝集の制御手法の確立、ならびに磁性元素が凝集した系の物性解明とそのデバイス応用を目的として研究を行っている。具体的にはMBEで成長した(Zn,Cr)Te中のCrの凝集領域の形成の様子と得られた結晶の磁性を研究した。MBE成長中の基板温度、成長速度、ドーピング濃度、成長方位などの種々のパラメーターを系統的に変化させて成長した(Zn,Cr)Te薄膜の結晶構造、Cr分布、磁化特性を調べ、これらの条件が凝集領域の形成と磁性にどのような影響を与えるかを調べた。その結果、結晶構造、Cr分布および磁性は成長中の基板温度Tsにより大きく変化することが明らかとなった。Crの平均組成が5%程度と小さい場合は、Tsの上昇に伴い積層欠陥の密度が減少し結晶性に大幅な改善が見られる一方で、Cr凝集の様子に大きな変化は見られなかった。一方、Crの平均組成が20%程度ではTsによりCr凝集領域の形状が変化した。Ts=300℃ではCr凝集領域は孤立したクラスター形状であるが、Ts=360℃では1次元の柱状領域となった。このCr凝集柱状領域の形成方向は結晶の成長面により異なることが見出された。さらにCr凝集領域の結晶構造を詳しく調べるため、イオンスライサーを用いて薄片化した断面試料のTEM観察を行った。TEM観察の格子像と電子エネルギー損失分光(EELS)像を比較したところ、Cr組成の高い領域では格子像におけるモワレの出現より母相とは異なる構造を持つ微結晶の存在が示唆され、さらに回折像では六方晶と思われる回折パターンが観察された。これらの結果より、Cr凝集領域は六方晶系のCr_<1-δ>Teからなる可能性が示された。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Effect of co-doping of donor and acceptor impurities in the ferromagnetic semiconductor Zn^<1-x>Cr^<x>Te studied by soft x-ray magnetic circular dichroism2011
Author(s)
Y.Yamazaki, T.Kataoka, V.R.Singh, A.Fujimori, F.-H.Chang, D.-J.Huang, H.-J.Lin, C.T.Chen, K.Ishikawa, K.Zhang, S.Kuroda
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Journal Title
Journal of Physics : Condensed Matter
Volume: 23
Pages: 176002-1-4
Peer Reviewed
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[Presentation] Effect of co-doping of donor and acceptor impurities in the ferromagnetic semiconductor Zn^<1-x>Cr^<x>Te studied by soft x-ray magnetic circular dichroism2010
Author(s)
Y.Yamazaki, T.Kataoka, V.R.Singh, A.Fujimori, F.-H.Chang, H.-J.Lin, D.J.Huang, C.T.Chen, K.Ishikawa, K.Zhang, S.Kuroda
Organizer
第15回半導体スピン工学の基礎と応用
Place of Presentation
筑波大学
Year and Date
2010-12-20
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