2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンデバイスとの融合を可能にする水平配向カーボンナノチューブの創製
Project/Area Number |
21310074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吾郷 浩樹 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 准教授 (10356355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10243924)
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Keywords | カーボンナノチューブ / シリコンウエハー / 配向成長 / CVD |
Research Abstract |
シリコンを基盤とするLSIは、その微細化と集積化が限界に近づきつつあり、新たな材料や構造の導入が必要とされている。単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、規則的な一次元ナノ構造と優れたデバイス特性からLSIへの応用が期待されている。しかし、その実現にはSWNTをSiウエハー上にいかに規則的に並べて集積化するか、という重要な課題を解決する必要がある。そのような中、我々はSiウエハー(酸化膜付きシリコン基板)をフッ素系プラズマによってエッチング処理を行うと、放射状のステップが局所的に形成され、その溝に沿ってSWNTが配向成長することを見出した。これは、従来困難と思われてきたSiウェハー上でのSWNTの配向成長の可能性を示唆するものと期待される。本研究では、この知見を微細加工技術などのトップダウン的手法によって発展させて高密度配向SWNTをSi基板上で実現することを目的としている。さらに、Si表面での水平配向SWNTの創製を通じて集積化を実現し、これまで築かれてきたSiデバイスと融合した高性能デバイスを作製することを目的とする。 本年度は、シリコンの微細加工技術に関する基盤技術の開発を中心に行った。特に、電子ビームリソグラフィーでパターニングしたSi基板に対して、異方性エッチングを適用することで、急峻でシャープなエッジをもつトレンチ構造を作製した。その結果、従来よりも高いSWNTの配向度を得ることができた。さらに、反応ガスの流れによる促進効果も観測され、新たな配向メカニズムに関して議論することもできた。この新たな結果は、現在論文として投稿中である。このようなSiウエハー上の配向成長に加えて、SWNT成長に及ぼす水の影響、ならびにサファイア上でのSWNTの配向成長に関しても検討を行い、方向制御、パターニング、そして直径制御に関していくつかの興味深い結果を得ることができた。
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