2011 Fiscal Year Annual Research Report
製品戦略および製品開発と工場システムとの統合化プロセスのリファレンスモデル開発
Project/Area Number |
21310094
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
玉木 欽也 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40188420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 一衛 成蹊大学, 理工学部, 教授 (80175083)
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Keywords | PLM / 製品プラットフォーム / 製品戦略 / 製品開発 / 製品アーキテクチャ / 工場システム / 生産システム / 生産マネジメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、次世代のPLM(製品ライフサイクルマネジメント)のリファレンスモデルの新提案として、「製品戦略プロセスのさまざまな業務プロセスの統合化を図ることである。以下に、本研究のサブテーマごとの具体的な成果を示す。 課題(1)PLM統合化業務プロセスのリファレンスモデル:製品企画と製品設計間を結ぶ「機能設計の業務プロセス」を規定する、詳細な記述モデル技法を開発した。課題(2)プロジェクトマネジメント:製品ライン/多品種製品群の全体系を製品ラインアップとしてまとめ、それを横断する製品プラットフォーム・機能ユニット・各種部品の共通化を図る理論構築を行った。課題(3)複数の製品ラインを俯瞰した製品アーキテクチャ戦略:前述課題(2)の一部の具体化として、異なる製品ラインや品種に対して製品アーキテクチャ分析をして、共通機能モジュールユニット/共通部品を考慮した統合化設計部品表(統合化E-BOM)の表記方法を考案した。課題(4)製品アーキテクチャに対応しフロントローディングができる工場システム計画:工場の全体レイアウト、最終製品組立ラインとそれに接続する複数のサブ組立ライン、複数の製品品種を構成する個々の主要部品が、どこの組立ラインや作業ステーションで、製造または運搬されているかを関連づけて可視化する技法を開発した。課題(5)需供戦略/生産マネジメント:工場内物流に関して、「J-COST(ジャスト・イン・タイム・コスト)分析」を拡張した新手法を構築し、実際の現場データでフィールドスタディを実施した。課題(6)生産システム構成法:生産現場で実用されている複数品種混合ラインを、仮想的な試行実験ができる環境づくりとして、3D-CG生産ラインシミュレータを活用したモデリング技法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究で第一目標とした、次世代のPLMのリファレンスモデルの新提案として、「製品戦略プロセス」のさまざまな業務プロセスの統合化を図るフレームワークの構築がほぼできたことである。さらに、当初予定していた各種の理論、モデル、手技法のなかで、次世代PLMの根幹となる課題解決のめどが立ったことである。特に理論研究に終わらず、製造企業・IT企業へのフィールドスタディを経て、管理者・技術者の意見を踏まえた改良努力を継続した結果、一部であるが彼らが主体的にPLM志向に向けた業務改革の姿勢を示してくれたのは当初想定していなかった成果といえる。それらの産学共同研究の成果をもとに、国内外学会誌へ掲載や、特別セソション企画による学会発表、国際学会における成果発表として着実に実績を蓄積するこができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年2012年度は、本研究の最終年度となり研究の総括をするうえで重要な時にあたる。そこで来年度の半ばに、現在までの研究成果を世に問うために、オープンフォーラムを企画・開催して、広く意見や批評をいただき、研究成果のリファインに努めていきたい。そのうえで、我々の研究チームの一部が所属している青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センターの年度報告書に、最終成果をまとめることとする。さらに最終成果の一部を、一般図書として刊行し、成果の普及を図っていきたい。また、2011年度に実施した、ヨーロッパ企業の実態調査や、ドイツ工科系大学の先進教授とのディスカッションは、最終年度の成果の取りまとめや、次期テーマ創設に発展させていける可能性があり、国内外の研究交流をより積極的に進展させていきたい。
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