2009 Fiscal Year Annual Research Report
資産運用手法と信用リスク計量手法の研究:数理計画法によるアプローチ
Project/Area Number |
21310096
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
今野 浩 Chuo University, 理工学部, 教授 (10015969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 順哉 中央大学, 理工学部, 准教授 (40334031)
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Keywords | 金融リスク管理技術 / インデックス運用 / トランスファー係数 / アクティブ運用 / ポートフォリオ理論 / 格付け / 超楕円面による分類 / 半正定値計画問題 |
Research Abstract |
1. 資産運用の研究に関しては、次の2つの研究が得られた。 (1) インデックス・プラスアルファ・ポートフォリオ構築問題(インデックスを上廻るパフォーマンスを実現するポートフォリオを求める問題)に対しては、トラッキング・ポートフォリオとインデックス・ウェイトとの相関関数に一定値以上とする制約条件を追加した数理計画問題を解くことにより、安定的にインデックスを上廻るパフォーマンスを実現するポートフォリオを構築することに成功した。 (2) トランスファー係数と呼ばれる指標に関する制約を追加した平均・絶対偏差ポートフォリオ最適化モデルを解くことにより、アクティブ運用の際の事後パフォーマンスを改良することに成功した。 2. 信用リスク計量手法の研究に関しては、わが国の有力な格付け機関による格付けをシミュレートとするテータ・マイニング手法を開発した.具体的には、まず整数計画法を用いて説明力が最も大きくなる財務指標を柚出し、これらの指標が構成するユークリッド空間における6個ないし9個の超楕円面を生成して、企業の信用力を6段階ないし9段階に分類する方法を提案し、格付け機関の格付けを95%以上の精度で再現できることを示した。 従来の方法の精度が85%程度であったことに比べると、画期的な改善と呼ぶに相応しい結果である。 なおこれらの成果をもとに書かれた3編の論文は、現在専門誌で審査中である。 以上われわれは、当初の計画を大きく上廻る成果を出すことに成功した。
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Research Products
(5 results)